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Wi-Fi/Bluetoothに対応した第4世代機

Wave Radioの系譜を継ぐ最新一体型オーディオ − ボーズ「Wave SoundTouch IV」を聴く

公開日 2015/12/14 15:04 高橋 敦
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ボーズ」というブランドが、どのモデル・どのシリーズによって心に刻まれたかは個人や世代で異なることだろう。近年ならノイズキャンセリングヘッドホン「QuietComfort」シリーズ、少し前ならデスクトップスピーカー「M3(Micro Music Monitor)」など、それぞれの時代を象徴するボーズ製品がある。

僕個人の話をすると、それに当たる存在はコンパクトオーディオシステム「Wave」シリーズだ。ラジオ専用機の「Wave Radio」から始まりCD対応の「WaveRadio/CD」、「Wave music system」として結実したのが2005年だ。

今回紹介する「Wave SoundTouch music system IV(以下、Wave SoundTouch IV)」は、その名前の通り「Wave」シリーズの最新モデルとのことで感慨深くもある。「IV」という型番からもわかるように世代を重ねてきたこのシリーズの、まずは進化点を見ていこう。

Wave SoundTouch music system IV

>>ボーズ製品サイトはこちら


その「進化」の要素はふたつに分けられる。「本体」であるかつての「WaveRadio/CD」ユニットそれ自体の更新と、それと一体化して機能する台座型「SoundTouch」ユニットだ。Wi-Fiに対応する台座型の「SoundTouch」ユニット自体は前世代機種から採用されていたが、今回新しくBluetooth機能が追加された。これによってBluetoothとWi-Fiの両方に対応する、より現代的なワイヤレスシステムへと進化している。

BluetoothとWi-Fiに対応する現代的なシステムへと進化した

個人的には前述の思い入れもあり、主役は「本体」だ。まずはそちらから紹介していこう。スピーカーのスリットを全体に展開した「あのデザイン」ではなくなったことは、個人的には残念。しかし上から見たときに扇型のフォルムは健在だし、その内部にはあの技術も健在だ。

あの技術とは、もちろん「ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジー」のこと。最適かつ最大の管共鳴を得られる長大な管を巧妙に折りたたんで筐体内に収納し、サイズに見合わない豊かな低音を得るというものだ。それによって低域再生のアコースティック面での限界値を引き上げつつ、デジタル処理や「アクティブ・エレクトロニック・イコライゼーション」などでサウンドチューニングを施すというのが「Wave」シリーズの音作りの大枠。まもなく開始されるはずのワイドFM(AMのFMによる補完サイマル放送)にも対応している。

ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジーの構造イメージ

しかし感慨を抜きにすれば、今回の主役は台座型「SoundTouch」ユニットの方だろう。「本体」は今回も、基本的には「Radio/CD」機だ。しかしこのユニットによりボーズのWi-Fi機能「SoundTouch」での再生や操作、Bluetooth再生といった最新のワイヤレス機能が実現されている。

台座型の「SoundTouch」ユニット。これにより、ワイヤレス音楽再生に対応している

正直に言えば、Bluetoothだけでも本体内蔵にしてほしかったと少し思う。しかしこのやり方だからこそ、完成度の高い「Wave」本体には大きな手を加えることなく、現代的な機能を追加できているのだろう。「そもそもワイヤレスに興味ない」方に向けて、SoundTouchユニットなしで、本体のみの「Wave music system IV」も販売されているが、そういった対応ができるのもこの形式ならでは。なお、本体との接続は電源含めてケーブル1本だ。

では、次ページでそのサウンドを紹介していこう。

次ページ“元々がラジオ機であること”を実感させる、声の帯域の心地よさ

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