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【特別企画】DXD/DSD128対応ハイレゾ機の魅力はどこに?

コウォンのハイレゾDAP「PLENUE 1/PLENUE M」を読者が体験。じっくり使って分かった“生の声”

公開日 2015/07/10 10:08 構成:ファイル・ウェブ編集部
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純粋に音楽を楽しみたい人に是非手にとって聴いて頂きたい

つぎ さん




今回、初めてモニターさせて頂きます【つぎ】です。

普段よく聴くジャンルは、ヘビメタ以外はなんでも雑種で聴きます。アニソン、ジャズは特に聴きます。

自宅の環境は、【Marantz SA-11S3】【Marantz PM-11S3】【ELAC FS247 BE】と非常に簡素なシステムです。

次に、私のオーディオの遍歴を簡単にまとめてみました

2010年:私が生まれる前からKENWOODのステレオがあり、それを聴いて育った私は父親の影響で音楽を聴くことは欠かせないものになり、いい音で聴きたい欲が出てAKG K701を購入。

2011年:2万円台の複合型ヘッドホンアンプを導入。すぐにDAC+真空管ヘッドホンアンプ(過去に2台)を導入し、ヘッドホンの世界に浸る

2012年:新たなヘッドホンを購入し、さらに浸る。ヘッドホン購入後半年で環境を一掃し、据え置き環境へ。

2014年:CDプレイヤーをLUXMAN D-38uからMarantz SA-11S3に変え、すっかり据え置き環境に落ち着く。

2015年:新しいスピーカーを模索中

ご紹介させて頂いた理由としては、私の経験がモニターの感想に大きく左右されるため、あくまで目安として簡単にご紹介させて頂きました。

さて、私がCOWON JAPANのPLENUE 1&Mのモニターに応募したきっかけと理由ですが、ヘッドホンを手にいれたばかりの頃、ウォークマンとiPodが人気を博していた中でダークホースのように出てきた大型液晶のCOWONのプレイヤーを知ったのがきっかけです。それから月日が経ち、ポータブルヘッドホンアンプをポータブルプレイヤーに接続しなくてもプレイヤー単体の質を高めることで同等・それ以上の音質を獲得できたプレイヤーが続々登場していますよね。そんな中、今回モニターをさせて頂くPLENUE 1&Mがたまたま目に入り、気になったため応募させて頂きました。

その他にも

「10万円を超えるデジタルオーディオプレイヤー(以下、DAP)を試聴したことがない」

「果たして一体型プレイヤーは、音楽を聴くだけのプレイヤーからどのような進化を遂げたのか」

などなど、色々と気になることはたくさんありました。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

まずは、PLENUE 1&Mの外観などについて語りながら音質評価を行います

【外観・スペックなどについて】

共通して言えることは至ってシンプルな外観となっており、音量調整ボタン&曲の再生ボタンの他にUSB端子とSDカード挿入口とヘッドホン端子しかありません。



PLENUE 1のDACチップですが、Burr-Brown PCM1792Aを搭載しています。多くの製品に使用されるほどこのチップは昔から信頼されており、抜群のS/N比が特徴です。実際に聴いてみると、DAPにありがちなノイズは一切無く音楽に集中できます。

次にPLENUE MのDACチップですが、Burr-Brown PCM1795を搭載しています。こちらも十分信頼性のあり多くの機器に採用されているDACチップです。

その他にもデザインの美しさからくる高級感、操作性・UIの良さは特筆すべき部分です。


特に操作性に関しては、どのDAPよりも機敏に動くと思います。ストレス無く軽快に曲が選択できるのはDAPでは必要だとこの製品に触れて感じました。

また、画面表示には音量レベルを示すタコメーター・デジタルメーターやジャケット絵の表示をいくつか変えることができます。個人的に画面のタコメーターの表示とジャケット写真がCDを形どったモードが好きです。このように音楽を聴く際の細かな配慮がとても感じられて、いいと思いました。


ただ、せっかくのジャケット写真が表示されているのに覆い被さるようにオレンジや赤色で着色されていくのはマイナスポイントだと思います。これでは台無しです。

【音質評価(PLENUE 1&M 同時進行)】

ひとつここで忠告をしておきますと据え置きがメイン環境ですので、ポータブルはシステムを組んでおりません。持っているDAPは携帯の『SONY EXPERIA Z3』と10年前の若かりし中学生のときにお年玉を貯めて購入した『SONY NW-A3000』というDAPのみで、それこそ後者はPLENUE Mぐらいの値段がしました(笑)

そのため、彼女から日頃借りているVictor HA-FX650、BLUE EVER BLUE Model 878RB、BLUE EVER BLUE Model 1001で試聴致しました。

なお、ヘッドホンは某電気店の試聴機を拝借しての試聴となりますので、じっくり家で聴いたわけではありません。

『試聴環境』

(PLENUE 1&M共通の曲をインポート・設定をしています。)

イヤホン:Victor HA-FX650、BLUE EVER BLUE Model 878RB、BLUE EVER BLUE Model 1001

ヘッドホン:SENNHEISER HD25-1 II、DENON AH-MM400、audio-technica ATH-W1000Z、SENNHEISER HD598

イコライザー(以下、EQ)設定:Nomal→途中BBEへ切り替え

イヤホンモードからヘッドホンモードの切り替え:有り

音量(1):イヤホンモード60〜80、ヘッドホンモード45〜70(イヤホンを接続した場合の音量)

音量(2):ヘッドホンモード 100〜110(ヘッドホンを接続した場合の音量)

主に聴いた試聴曲:Nissy GIFT(m4a/iTunes限定配信)、諫山実生 月のワルツ(WAV)、ChouCho transient blue & Authentic symphony -Acoustic Ver.-(WAV 24bit/192kHz)、かとうあすか PIECE OF MY WISH & 中央・フリーウェイ(m4a/iTunes限定配信)、John Coltrane Quartet Say It (Over And Over Again)(WAV 24bit/96kHz)、翠の海 -midori no umi- ORIGINAL SOUND TRACK 幸せのうた 〜みちるのテーマ〜(WAV)、MANYO 『瑠璃の鳥』(WAV)、Suara キミガタメ Special Place Recording -Suara at 求道会館-(DSD 1bit/5.6MHz)

『PLENUE 1の強み』

私が聴いたかぎりでは、音が滑らかで柔らかい音に仕上げていると感じました。

特に、音の分離とそれに伴う空間の広さは素晴らしい。ポータブルプレイヤーで体験できるのはすごいと思いました。

空間の広さがあると音が窮屈にならないので、とても重要な部分だと感じています。ここはさすが高級DAPの実力だと思いました。

特に、BLUE EVER BLUE Model 878RBとの相性は抜群でした。

元気な音なのに広がりがあり、聴いていてとても楽しくワクワクする音を奏でていました。元々ノリがいいイヤホンなのでPLENUE 1のおかげで音の質感があがりました。

また、試聴曲『PIECE OF MY WISH』のアコースティックギターの豊かな中低域が広がっていく様をHA-FX650が気持ちよく奏でていました。


ヘッドホンでは、特にHD25との相性がとても良かったです。

比較的インピーダンスの高いモデルも難なくドライブし、モニター的と言われるこの機種さえ滑らかに音楽的に鳴らしてくれるところが素敵です。

『PLENUE Mの強み』

PLENUE 1と比べるとさっぱりとした見晴らしの良い音が特徴的です。おおまかな音の傾向は一緒です。

わずかではありますが空間の広さと滑らかさがPLENUE 1よりも劣る代わりに音のメリハリがあって若干タイトです。

音の好みで言えば、PLENUE Mのほうが好きでした。

程よくタイトで弾むような気持ちのよい重低音が特徴的だったので、試聴曲『Nissy GIFT』が楽しく聴けました。

『共通の強み』

この他にも多種多様なEQの種類に加えユーザー自身がカスタムできる帯域が細かく分かれており自分好みに調整でき、遊び心のある一台だと思います。

特に【BBE】というEQの設定をすると音がクリアになります。


どうやら倍音成分を元となる曲から作成し位相補正を行ったあと加えてあげることでSACDやDVDオーディオ並みのクオリティになるというものです。

確かに音数が増えたのと同時に若干高域が前に出て音が元気になりました。

このようにEQを弄っても元の音が歪むほどの影響が出るようなことは一切ありません。あくまで自然に心地よく変化していきます。

他の機種でもEQはついていますが、COWONほど突き詰めたクオリティの高いEQは聴いたことがありません。

また、イヤホンでは試聴機が少なかったのであまり感じませんでしたが、様々なメーカーのヘッドホンを試聴した際、ヘッドホンごとの個性を潰すことなく自分好みの音にできるEQの幅広さに驚きました。


ホームページにも理を尽くしてEQに関する様々なデータ・説明が掲載されており、ユーザーも安心してEQを調整できるのでとても良いと思いました。

EQだけではなく、USB-DACの機能もあるところがすばらしいですね。

ポータブルだけではなく、据え置きのヘッドホン・イヤホン環境も見据えた機能としてアリだと感じます。

『共通の弱み』

PLENUE 1では空間が広く・音離れに優れ、質感を高めているのに対し、PLENUE MではPLENUE 1に比べてタイトになり質感よりも音楽を聴く楽しみを味わえるという、どちらも聴きやすい音です。

ですが、犠牲になってしまったものがありました。

それは【生々しさ】です。

生々しさといっても個人で聴きどころは違うと思いますが、私は楽器を演奏している時のブレスやペダル音の他に音の強弱を表現するのに欠かせない空間への広がりとそれに伴う音の余韻だったり、ボーカルものであればボーカルだけが浮き上がる定位の良さから目の前で歌っているかのような錯覚に陥る感じなどで生々しさを判断して聴いています。

具体例としてピアノの旋律が美しくぺダルの音までもはっきり聞き取れてしまうChouCho transient blue (ハイレゾ 24bit 192kHz)も曲の魅力は十分伝わってくるけれども、ボーカルの力強さやレコーディングしていた時の静かな環境下から突然ペダルの音だけが浮かび上がるような生々しさが足りないと感じました。

音圧の高い現代の曲に対して有効的な音の仕上がりではあるものの、ハイレゾやDSDといった生の音に対しては逆効果であると感じました。(せっかくのDSDデータは変換されてしまうので勿体ないと思います。)

また、イヤホンでは空間が広いものの音の伸びが良くないため音が詰まって聴こえてしまいます。

せっかくの空間の広さが勿体ないように思えました。

ヘッドホではオンイヤータイプしか試聴していませんが、そのおかげで耳とヘッドホンのカップ内の空間に音が広がって余韻が生まれ、それに伴い多少音が伸びるようになりました。全体的なバランスと音の伸びを楽しみたいときは、ヘッドホンのほうが適当かもしれません。

また、イヤホンモードについてですが、今回全てのイヤホンが低インピーダンスですが、音の出力はヘッドホンモードが適当でした。

イヤホンモードでしばらく聴いていた時にイコライザーを調整しながら好みの音にしていましたが、ヘッドホンモードも試そうと思い切り替えたところ、イコライザー無しのノーマルモードが本来の出力なのでは?と思ったぐらいなので、個人的にイヤホンモードではパワー不足が目立ちました。

『総合評価』

私は、HD25や878RBを試聴して両者合うなぁと感じたので、イヤホンやヘッドホンの相性としてはウォーム傾向よりもクール傾向で低域が弾むような音質が楽しめるモデルこそ相性がいいのでは?と感じました。

また、原音に忠実というよりも音楽を楽しむことに長けているモデルとも感じました。

私の経験上どうしても原音忠実にすると音楽を楽しむ要素が失われてしまいがちです。逆も然りで、音楽を楽しむことを優先してしまうと作られた音に違和感を感じてしまいます。そのちょうど中間の音、言わば両者のおいしいところをうまく音で表現しているなぁと思いました。

長々と色々書きましたが、これ以上難しいことは言いません。純粋に音楽を楽しみたい人に是非手にとって聴いて頂きたいです。

次ページその透明感の高さはポテンシャルの証(MacBSさん)

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