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まさに“リファレンス”の実力

【連続企画第2回】ティアック「HA-P90SD」のアンプ駆動力を人気ヘッドホンと組み合わせテスト!

2015/03/06 岩井喬
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いよいよ発売が開始されたハイC/Pなポータブル・ハイレゾ・プレーヤー&ヘッドホンアンプ、ティアックHA-P90SD。連載1回目でその詳細なスペックと5.6MHz・DSD対応の内蔵プレーヤーを軸としたサウンドインプレッションをお届けしたが、第2回目では600Ωまでのハイインピーダンスなヘッドホンも鳴らし切る、高いドライブ能力を持つヘッドホンアンプ部にスポットを当て、様々なヘッドホン/イヤホンを組み合わせ、その実力に迫ってみたい。

TEAC「HA-P90SD」。ハイレゾ対応プレーヤーでもあり、多機能ポータブルヘッドホンアンプとしても使える万能モデル

特にポータブル用途で考えた場合、HA-P90SDの内蔵プレーヤーを使うのが最も手軽であり、最短ルートでハイレゾ再生を実現できる手段となる。

そしてもう一つはUSB-A端子にiOSデバイスやAndroidデバイスをデジタル接続し、5.6MHz・DSDネイティブ再生も行える再生アプリ『TEAC HR Audio Player』を活用したポータブル環境だ。

iOS版「TEAC HR Audio Player」

このアプリを活用することで、内蔵DACチップであるPCM1795と親和性の高いDSDドメインでのドライブが可能となる。さらに3.5mm光・同軸デジタル/アナログ兼用入力を使って、デスクトップ用途として据え置き型の外部プレーヤー/DACから入力する活用も考えられよう。もちろん本機をUSB-DACとして捉え、PCと接続して楽しむこともできるが、これは次回の第3回目で詳しく紹介したい。

iOSデバイスとのLightning接続と内蔵プレーヤーを聴き比べる

前回はソニー「MDR-1A」を試聴用に用いたが、今回は密閉型のハイエンド機、フォステクス「TH900」やハイインピーダンス機の筆頭であるベイヤーダイナミック「T1」とゼンハイザー「HD700」を使ってそのドライブ能力についてもチェック。さらにイヤホンにはオーディオテクニカ「ATH-CKR10」を選んだほか、基本的なレファレンスとしてはハイレゾ対応機ではないものの、ニュートラルなサウンド傾向を持ち、接続機器の見極めに重宝しているシュア「SRH1840」を用いることにした。

まず、どの再生手段を用いるか検討する。内蔵プレーヤーを使うのか、iPhone 6をデジタル接続し『TEAC HR Audio Player』で再生を行うかを決めようと、その音質の違いをMDR-1Aで比較した。

『TEAC HR Audio Player』再生では高域にかけての倍音の豊かさ、煌びやかさが増す印象で、低域方向もファットで厚みを持った描写となる。しかし解像度そのものは高く、音場の見通しもクリアでヌケの良いサウンドであることに変わりはない。潤いを持った弾力ある音像で、女性ボーカルの艶も上品で耳当たり良い。リアルさとはやや違うベクトル傾向とはなるが、iOSやAndroid端末でのデジタル接続は普段使っている環境へのアドオンでもあり、操作性や使い勝手も考えると非常に魅力的である。

iPhone 6とHA-P90SDを接続して試聴

iOS機器と接続した際の表示

ただ、厳密に比較すると音像のフォーカスのキレ、中低域の締まり具合、倍音表現の自然さといったポイントで、内蔵プレーヤーの方がより理想的なバランスで聴くことができた。高S/N&高解像度なサウンドをストレートに味わうには内蔵プレーヤーが優位と判断。試聴では内蔵プレーヤーを用いることとした。

背面には豊富な端子類を装備する

今回は内蔵プレーヤーでヘッドホン/イヤホン駆動力をテストした

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