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角田郁雄のオーディオSUPREME

【第4回】これぞプレミアム・スモールオーディオ。SOUND WARRIOR「SW Desktop-Audio」を聴く

公開日 2014/11/27 18:13 角田郁雄
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デスクトップだけではもったいない「SWD-TA10」の駆動力

「SWD-TA10」の試聴では、天然木家具職人に依頼して製作した、フォステクスの100mmフルレンジユニット「FE103-Sol」を使用したケヤキ無垢材によるバックロードホーン型スピーカーを使用した。

D級アンプ「SWD-TA10」のサウンドは、ケヤキ無垢材のバックロードホーン型スピーカーとの組み合わせで主に確認した

その音はケヤキの響きも付加され、弦楽曲などを聴くと音数の多い豊かな弦楽の響きが聴ける。低域の量感もたっぷり。バッハの無伴奏ヴァイオリンなどでは深みを感じさせ、その場で演奏を聴いている気分になる。リンダ・ロンシュタットも、スピーカー中央の上方にヴォーカルが定位し、そのやや下方でピアノやシンセサイザーがヴォーカルを囲む。タイトなドラムやベースも聴ける。ギターは、まさに真空管を使用するギターアンプのような、鮮やかなリヴァーブを聴かせてくれる。ロックもなかなかのものだ。

角田氏の依頼により、家具職人がケヤキ無垢材を使って作り上げたバックロードホーン型スピーカー

SWD-TA10は、デスクトップオーディオだけで使うにはもったいないアンプだ。お気に入りのスピーカーの間隔を広げ、少し距離をおいて聴いて欲しい。おそらく、この音には熟練オーディオ愛好家も魅了され、プライベートルームやリビングにセットしたくなると思う。一方でコンパクトな装置でいい音で音楽を楽しみたい方にもぜひ聴いて欲しいモデルだ。

本機は12Wであるが、FOCAL「Scala Utopia」(能率:92dB)でさえ、大音量再生しないかぎりドライブできる。例えば、愛聴盤である5.6MHz DSD『Quiet Winter Night』では、教会の豊かな響きを背景に、リアリティに富んだヴォーカルが定位する。ピアノの響きにはデリカシーが感じられ、ベースやバスドラムもしっかりとしたタイトな響きを聴かせてくれる。まさにファンタスティックなサウンドだ。このSWD-TA10に合わせてスピーカーを選ぶならば、インピーダンスが8Ωで、能率は90dBに近いか、それ以上のスピーカーを選んで欲しい。ボリュームの目安としては、12時から13時くらいの位置で通常音量となると良い。十分な余裕を持つことが大切だ。

CDトランスポート「SWD-CT10」とHugoのコンビを聴く

ところで、このところ「手ごろな価格で、USB-DACに接続できる小型CDトランスポートはないだろうか」という質問をよく受ける。CDトランスポート「SWD-CT10」はまさに理想的で、推薦できるモデルだ。

CDトランスポート「SWD-CT10」とCHORDのDAC「Hugo」を組み合わて試聴。クロック・ジェネレーターを用いるとさらに音質は向上した

例えば、CHORDのHugoの同軸デジタル入力に接続すると、内蔵するWTAフィルターとパルスアレーDACの威力が発揮され、空間に高密度な音像を描写する。クロック・ジェネレーター「SWD-CL10」をCDトランスポートに接続すると、さらに楽器配置が明確になり、素晴らしく高密度でリアルなステージが再現できる。

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