HOME > レビュー > 最新機能を網羅、デノンの最新AVアンプ「AVR-X2100W」を野村ケンジがレビュー

マルチchのBD再生、ネットワーク2ch再生などを検証

最新機能を網羅、デノンの最新AVアンプ「AVR-X2100W」を野村ケンジがレビュー

公開日 2014/06/18 11:17 野村ケンジ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
「AVR-X2100W」のユーザビリティの面で重要なのが、Android OS/iOSデバイス用アプリ「Denon Remote App」だ。最新バージョンにおいては、スマートフォン用に加えてiPad用、タブレット用も用意。前述のセットアップアシスタントから一度初期設定を終えてしまえば、後はこのアプリでほとんど用が足りるという、リモコンいらずの使いやすさを持ち合わせている。

■筋肉質なマルチch再生、同価格のステレオアンプに引けを取らない2ch再生

さて、肝心のサウンドについてレビューしていこう。主に視聴したBDソフトは定番の『ダークナイト』、そして最新のアニメBD『シドニアの騎士』の2つ。音楽コンテンツはDSDファイルを含むハイレゾ音源だ。

まずはBDを再生してみる。「デノンらしい」と表現すれば伝わるだろうか、エネルギッシュで、メリハリのよいサウンド表現となっている。音色傾向に関しては、追ってレポートするエントリー機「AVR-X1100W」のナチュラルテイストに対して、やや筋肉質なイメージという印象を受けた。従来機に比べて、S/N感や空間的な広がり感も向上している。『ダークナイト』は一段と迫力を増し、ひっくり返ったトラックが地面に倒れるシーンなどは、その迫力に思わずびくっと反応してしまうほどだ。

『シドニアの騎士 一(初回生産限定版)』価格:\7,800+税【仕様】AVC/1080P 【音声】リニアPCM/ステレオ、ドルビーTrueHD/5.1chサラウンド、他

いっぽう『シドニアの騎士』では、不協和音的な付帯音がつけられているガウナ(編集部注:作中に登場する謎の生命体)の動きがリアルに感じられる。さらに、音の広がり感やサラウンド方向への音のつながりがスムーズになっているのか、画面の外に飛び出したガウナの触手さえしっかりと感じ取られるようになり、並々ならぬ没入感を味わうことができる。

ネットワーク再生の音楽ファイルに関しては、S/N感が格段に良くなっているため、ベール感のないダイレクト感の高いサウンドが楽しめる。特に「PURE DIRECT」モード時の音が秀逸だ。エッジも明瞭となり、抑揚のニュアンスが細やかなところまでしっかり感じ取られるようになる。同価格帯のステレオアンプに対してけっしてひけをとらない、明瞭度の高いピュアサウンドを聴かせてくれるのだ。音の広がり感が自然なのも好印象だ。

ネットワーク再生時のGUI。DSD 2.8MHzの再生にも対応

Bluetooth再生時のGUI。スマートフォンの音源を気軽に楽しめるので非常に便利

■ピュアオーディオ再生でも実力を見せる総合力の高いAVアンプ

こと音楽再生については、下位モデル「AVR-X1100W」に対して、上位モデル「AVR-X2100W」に大きなアドバンテージを感じる。両モデルは、対応する再生フォーマットなどには差がないが、BD再生だけでなく、NASやスマホからの音楽再生も多用したいという人は「AVR-X2100」をチョイスする方が良さそうだ。

機能はほとんど変わらない「AVR-X2100W」と「AVR-X1100W」だが、サウンドクオリティー、サウンドキャラクターの両面において、それぞれの個性がしっかりと際だった製品に仕立てられていることが確認できた。「AVR-X2100W」に関しては、音楽コンテンツ再生用としても十分に満足できる、良質なサウンドを持ち合わせている。この価格帯でこのサウンドを実現してくれるとは、なんとも素晴らしい限りだ。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: