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【特別企画】No.1シェアモデルがモデルチェンジ

充実スペック+手頃な価格! ソニーの最新サウンドバー「HT-CT370」レビュー

公開日 2014/04/14 13:10 折原一也
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自動的に最適な音場に調整する「ClearAudio+」が便利!

薄型テレビと一緒に使うサウンドバーは、視聴ソースは映画ばかりとは限らない。テレビ番組を視聴しても、HT-CT370では「ClearAudio+」によって自動的にサラウンドモードを選んでくれる。何も操作しなくても、常に最適な音が楽しめるというのは、ユーザーにとって非常にありがたいことだ。

「ClearAudio+」を選んでおけばコンテンツの種類に応じて最適な音場を選んでくれる

サウンドモードはリモコンからワンタッチで切り替えられる。赤く囲んだのは「ClearAudio+」ボタン

たとえば、BDレコーダーで録画したNHK『SONGS』で、EXILEのATSUSHIが出演した放送回を再生する。すると、ジャンル情報から自動的に「MUSIC」が選ばれ、音楽ライブに適した、広がり感のある素晴らしいサウンドを聴かせてくれる。番組中で美空ひばりの名曲『愛燦燦』を歌ったライブシーンでは、ボーカルがしっかりと立ち上がり、ATSUSHIのきめ細やかなボーカルを、薄型テレビの周辺にサウンドフィールドを作り出すように、しっとりと鳴らしてくれる。心地良いベース音を生み出すために、サブウーファーもしっかりと働く。

続いてコンテンツをサッカー日本代表の試合に変えると、サウンドモードは「SPORTS」が自動的に選ばれる。サウンドの特長は、まるでスタジアムで観戦していかのようなサポーターの声がしっかりと聞こえる、包み込まれるような臨場感。このサウンドは、テレビ内蔵スピーカーでは体験できない。

「GAME」モードはPS4で試した。プレイしたのは「龍が如く 維新!」だ。まず感じるのは、リバーブが少なく、すっきりとしていて、音がどこから出ているのか、方向がはっきりと理解できるということ。本作や、あるいはFPSのようなゲームの場合、音によって敵や見方の位置を理解する必要が出てくる。本機のゲームモードであれば、それがしっかりと認識できるのだ。またセリフが明瞭に聞こえるので、瞬時に状況を理解しやすいのもメリットだ。

なおHT-CT370は、「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」推奨認定を取得している。本機のゲームモードを使えば、リアルかつ正確な音場空間で、臨場感豊かなプレイが楽しめるだろう。

「MUSIC」と「P.AUDIO」にも触れておこう。MUSICはその名の通り、音楽のステレオ再生に適したモード。定位感がありながら音の広がりも同時に得られ、ライブ音源とも相性が良さそうだ。P.AUDIOは圧縮音源で失われる音の情報を補完するモードで、一聴してボーカルなどの鮮明さがグッと向上することがわかる。圧縮音源特有のディテールのぼやけたところが、一気にクリアに、見渡しが良くなるのだ。

「STANDARD」モードは、とにかくバランスの良さが持ち味。濃厚すぎることも、あっさりしすぎることもない。モードの選択に迷ったときは、様々なコンテンツに合うSTANDARDを選ぶというのもアリだろう。

さて、これらのサウンドフィールドと組み合わせることが可能な「ナイトモード」も、実際に試したら効果が高かったので紹介したい。深夜の視聴時など、小音量で聴かなければいけない場合に効果を発揮するものだ。小音量だとセリフなどが聞きづらかったりするものだが、ナイトモードでは小音量でもメリハリの効いたサウンドが得られる。隣人や家族に迷惑をかけずに良い音が楽しめるのは有り難い。



実売3万円台のサウンドバーと聞くと、本格志向のホームシアターファンからは入門機のように思われてしまいがちだ。しかし、ここ数年のサウンドバー市場の盛り上がりもあり、最も劇的に音質向上が進んでいるのがこのクラスの製品というのは紛れもない事実だ。

ソニーが2014年の主力モデルとして送り出したHT-CT370は、リビングに導入するという設置性を丁寧にケアしながらも、「ディフューザー」の搭載によって高音質志向の作り込みも新たなステージに到達した、戦略的なモデルだ。その包み込まれるようなサラウンド感を、一度自分の耳と体で体験してみてほしい。

(折原一也)

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