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iTunes要らずで様々な動画をストリーミング

Apple TVを使いこなす − WMV/AVIもワイヤレス配信できる話題のフリーウェア「AirFlick」レビュー

2010/12/28 海上 忍
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オーディオ/ビデオをLAN経由で他の機器へ配信するストリーミング機能「AirPlay」。機器間をワイヤレスでつなぐ目的にも使える利便性で人気だが、対応機器はApple製品と一部のライセンス製品のみ、しかもパソコン上の配信ソフトはiTunesしか使えない。

そこに現れたフリーソフトが「AirFlick」。AirPlay互換のビデオ配信ソフトであり、WMVやAVIといったiTunesが対応しないビデオフォーマットを配信できることが最大の利点だ。それでは早速、その導入方法と使用感をレビューしてみよう。

■AirFlickのココに注目

一部のApple製品に搭載された「AirPlay」は、iTunesに貯えたオーディオ/ビデオファイルをストリーミング配信するネットワークサービスだ。

iTunesおよびいくつかのiOSアプリ(たとえば iPod、YouTube)がサーバすなわち配信側で、Apple TVおよびAirMac Expressが受信側、すなわちクライアントとして動作するが、基本的にアップル1社の規格であり、アップルからライセンスを受けた企業以外はAirPlay対応機器/ソフトをリリースできない。逆に言えば、その規格さえわかれば…ということもできるだろう。

それをやってのけたのが、iPhoneアプリ開発の先駆者として著名なErica Sadun女史。AirPlay互換の配信機能を持つ「AirFlick」と、同じくAirPlay互換の受信ソフト「AirPlayer」をフリーウェアとして公開、Apple TVオーナーを中心に話題を集めている。

第2世代Apple TV。8,800円という価格も魅力だ

注目すべきは「iTunesなしに第2世代Apple TVへビデオをストリーミングできる」AirFlickの配信機能。iTunesから第2世代Apple TVへのビデオ配信は、MPEG-4ムービーなど一部のフォーマットに限定されるが、AirFlickを使えばWMVやAVI(DivX/XviD)といった、iTunesが対応しないビデオも配信できるのだ。

AirPlay互換の配信ソフト「AirFlick」。配信したビデオは第2世代Apple TVで受信できる

ところで、AirPlayの前身ともいえる「AirTunes」は、同じくAppleが策定した仕様非公開のストリーミング規格だが、2004年の発売から年月を経ているだけに有志ユーザにより解析が進展。規格の主要部分はApple独自の「Remote Audio Output Protocol(RAOP)」であり、Real Time Streaming Protocol(RTSP)というプロトコル上を暗号化されたうえで流れることが確認されている。

一方、AirPlayを流れるビデオストリームはHTTPベースであり、引き続きサポートされるRAOPベースのオーディオストリームとは異なる(参考)。Sadun女史も、AirPlayerでのRAOP対応は進めない方針を明らかにしているため、当面はビデオストリームのみのサポートと考えるべきだろう。

AirPlay互換の受信ソフト「AirPlayer」。iPhone/iPadで再生したビデオをMacで受信できる

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