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GPS機能の面白さも特筆モノ

【会田肇の熱血レビュー】“誰でも高画質”を目指したソニー「HDR-XR520V」は今春の本命モデルだ

公開日 2009/03/19 18:57 会田肇
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■GPS機能で思い出の場所をバーチャルに再訪できる

そして4つ目のGPS機能。これは使ってみて、初めて面白さがわかる類の機能だ。これまでの場合、撮影した場所は映像を見ながら記憶を思い起こしていたので、正確な位置情報が曖昧になりがちだった。このGPS機能を使えばそんな悩みは一発で解消する。撮影ポイントごとにGPSが測位した正確な位置情報が自動的に記録され、付属のPMB(Picture Motion Browser)のマップビューを使えば、GoogleMaps上にそのポイントを正確に表示することができる。

付属のPMBを使って撮影したポイントを表示してみた。一度に複数のポイントを選ぶことが可能なだけでなく、撮影した順番にサムネイルを表示していくこともできる

HDR-XR520VのGPSレシーバーは本体上部にあるため、撮影しながらでもしっかりと位置情報が取得できる。内蔵であるため、オプション品と違ってバッテリー残量を気にかける必要がない

地図上には撮影した画像ファイルのサムネイルが表示され、それをクリックすれば映像ファイルの再生も可能。つまり、撮影した日時や場所を地図上で場所を確認しながら思い出のシーンを再生できるようになるというわけだ。それはまるで、一度出掛けた場所へ、映像で再び巡る旅に出掛けているかのような体験だ。

ただし、前述の方法ではGoogle Mapsを使うこともあり、PCでしか楽しめない。そこで本機には世界中の主要な場所の地図情報を収録(日本国内は細街路まで、欧米は主要道路レベルまで、アジアは地図の輪郭レベルまで)し、テレビなどと接続しても撮影場所を確認できる方法を用意している。

その方法は簡単。再生時にホームメニューから「地図」を選べば、即座に撮影したエリアの地図が映し出され、赤いピンで撮影したポイントが配置される。左側のサムネイルを上下に動かして見たい映像を選ぶと、それに合わせて撮影したポイントも移動する仕組みだ。これによって、撮影した場所を正確に把握しながら映像を再生することが可能になるわけだ。

内蔵している地図データを使って、現在地をモニター上に表示してみた。場所は石川県金沢市郊外のサービスエリア。日本国内に限っては細街路までをサポートする

ラスベガスで撮影したポイントを内蔵する地図データ上に表示したときの状態。この中から映像を選べば再生がスタートする。この状態をTVモニターでも映し出せる

それと見逃せないのが「ハイライト再生」だ。これはその名の通り、撮影した映像からポイントとなる部分を抜き出し、音楽と合わせて短時間で再生するというもの。そのポイントとなるのは、顔を写したか、あるいは静止画を撮影したかなどの情報。これらの情報は重要なポイントとしてカメラが把握し、ハイライト再生時にその部分を自動的に抽出、再生を行うのだ。

この機能は第三者に手早く見せるのにも役立つし、過去の映像として内容を確認するのにも役に立つ。惜しむらくは、この機能はあくまで再生だけのもので、これをプレイリストとして登録できないこと。編集する手間を省き、簡単にハイライトビデオ映像として残せるともっと良かったかもしれない。

今、ビデオカメラに求められるのは、マニアックに振ったハイエンド機ではなく、誰が撮影しても簡単に美しい映像が残せるということ。本機はそのために、徹底してフルオート撮影にこだわった。さらに撮影した映像を楽しませ、お蔵入りにさせない機能も充実させている。より多くの人に満足してもらえる。ソニー「HDR-XR520V」(XR500V)にはそんな魅力が数多く詰まっているのだ。

(会田肇)

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