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パナソニックBDレコーダー「DMR-BW950」徹底レビュー − 「アクトビラ ビデオ ダウンロード」編
前回に引き続きパナソニックのDMR-BW950をレビューする( 「録画機能」&「ワンセグ持ち出し」編はこちら)。今回は本機が搭載するネットワークを軸としたビデオコンテンツの視聴機能にスポットを当ててみよう。
DMR-BW950を筆頭に、下位モデルのDMR-BW850/BW750/BW550まで「アクトビラ ビデオ ダウンロード」と「YouTube視聴」の機能に対応する。まず「アクトビラ ビデオ ダウンロード」から紹介しよう。
■「アクトビラ ビデオ ダウンロード」の使い勝手を検証する
アクトビラはAV家電機器での視聴を中心とした静止画・動画の配信サービス。視聴に対応するテレビやレコーダーにLANケーブルを接続するだけで、専用チューナーやSTBなしで利用できるのが特徴だ。アクトビラには静止画だけの「アクトビラ ベーシック」、SD動画を利用できる「アクトビラ ビデオ」、そしてHD画質で動画配信をする「アクトビラ ビデオ・フル」がある。これらは基本ストリーミングでの配信だが、2008年からは「ダウンロード型サービス」と、ダウンロードした動画をBDやDVDに記録できる「セルスルー」をそれぞれ開始した。DMR-BW950はこの最新機能に対応している。
アクトビラを利用する準備は本体にLANケーブルを差し込むだけだ。ただし回線は高速ADSL、もしくはフレッツ光などの高速ブロードバンド回線が必要だ。設定に関して面倒なことはなく、住んでいる地域の郵便番号を入力すれば準備は完了だ。ちなみに地域情報を利用しないのであれば郵便番号の入力も不要。「アクトビラ ビデオ・フル」の操作感については変更はないので、過去記事を参照していただきたい。
「ダウンロード型サービス」と「セルスルー」が利用できるのは、現時点では「TSUTAYA TV」でのみとなっている。ただし「TSUTAYA TV」の成功次第では、今後、新規に参加する事業者もでてくるであろうと思われる。
「ダウンロード型サービス」の利用時間は、ダウンロード完了後、主な映画で48時間、海外ドラマなどのテレビシリーズで48時間〜72時間のあいだ視聴できる。「セルスルー」はタイトルを購入する方式なので視聴時間の制限はなく、ダウンロードした作品はBDなどの光メディアや、対応機であればSDなどのメモリーカードに記録できる。ちなみにDMR-BW950では残念ながら光メディアへの書き込みまでにしか対応しておらず、SDメモリーカードへの書き込みはできない。
また、セルスルーのユニークなところは最大で2回までダビングが可能なこと。HDD上に1つ、ディスクに1回のダビングができる。ダビングはムーブではないので、2回ダビングしたあともHDD上には作品が残る。ただし全ての作品が2回のダビングに対応しているわけではなく、1回しかダビングできない作品のほうが実際には多かった。今後、メモリー対応の製品が登場することも予想できるので、ぜひ全作品で「2回ダビング対応」が実現して欲しい。
気になる画質だが「ダウンロード型サービス」の動画はMPEG-4 AVC/H.264方式で圧縮されており、ビットレートは可変VBRで平均10Mbps/最大20Mbpsになっている。これはBSハイビジョン放送なみのクオリティなので、かなりキレイだ。ちなみにストリーミング方式の「アクトビラ ビデオ・フル」は4〜8Mbpsになっている。ダウンロードの方がユーザーが利用するネットの帯域に影響されないので、高画質に楽しめる。ダウンロード時間は10Mbpsの通信速度で2時間の映画を落とした場合、約120分かかる。100Mbps程度での光回線なら数分から数十分でダウンロードが可能だ。
なお、TSUTAYA TVの決済はクレジットカードで行う。TSUTAYAの会員なら新たなID登録は不要だ。TSUTAYAグループのTポイントサービスにも対応する。
いざTSUTAYA TVのメニューを見てみたところ、「どの番組をダウンロードしようか」と、悩んでしまった。2009年3月時点でダウンロードレンタルは約250作品、セルスルーは約350作品が揃う。本数で見るとそこそこのタイトル数がありそうだが、いざお金を払ってダウンロードするとなると、すでにBD-ROMで発売されているタイトルもあり、迷ってしまう。作品としては劇場で見損ねたクローバーフィールドあたりで落ち着きたいが、映画としての画質はいまひとつなので見送らざるを得ない。結局、ジョエル&イーサン・コーエンの監督作品『ノーカントリー』で落ち着いた。テストはダウンロードしたタイトルをBD-Rに書き込んで再生した。DVD-Rへの書き込みにも挑戦しようと試みたが、本作は残念ながダビング可能回数が1回のみだったのであきらめた。
フィルターワークや暗いシーンなどが多い本作品だが、画質は良好で楽しめた。ざっとした画の印象だが、WOWOWのハイビジョン放送と同等のレベルだと感じた。同じ再生環境でBD-ROMと「セルスルー」のコンテンツを書き込んだBD-Rを比べれば微妙にその違いが出てくるのだろうが、個別に楽しむなら気にならない程度だ。
ただ、注意しておきたいのは音声だ。「ダウンロード型サービス」では2chステレオにしか対応していない。5.1chサラウンドで楽しみたい場合は、市販のパッケージタイトルを購入すべきだろう。
価格のバランスも注目すべき点だと筆者は感じている。『ノー・カントリー』のセルスルー価格は3,675円だった。一方、筆者の調査では大手通販ショップではBD盤の『ノー・カントリー スペシャル・コレクターズ・エディション』が3,546円で売られている。作品によってはセルスルーの方が高くなってしまうのだ。セルスルーの場合は、このほかにもメディア代がかかるので、さらにその差は広がってしまう。パッケージソフトにはメイキングなどの特典も含まれており、音声も最新のサラウンド音声で記録されている。現在の価格なら筆者はパッケージタイトルを選ぶだろう。
BDタイトルと競合するなら1本2,000円程度で2回のダビングに対応したり、4,000円前後の価格を付けるのであればパッケージでは手に入らない作品を用意するなど、積極的な努力をファンとしては期待したい。このあたりがセルスルーの次の課題をだと感じた。一方でダウンロードレンタルの魅力はその手軽さ。BDレンタルの普及がやや伸び悩んでいる中で、手軽にHD画質の作品を見られるメリットは大きい。特に海外ドラマにはBD版が発売されていない作品も多いので、好きな作品を高画質で楽しみたいならオススメしたい。
DMR-BW950を筆頭に、下位モデルのDMR-BW850/BW750/BW550まで「アクトビラ ビデオ ダウンロード」と「YouTube視聴」の機能に対応する。まず「アクトビラ ビデオ ダウンロード」から紹介しよう。
■「アクトビラ ビデオ ダウンロード」の使い勝手を検証する
アクトビラはAV家電機器での視聴を中心とした静止画・動画の配信サービス。視聴に対応するテレビやレコーダーにLANケーブルを接続するだけで、専用チューナーやSTBなしで利用できるのが特徴だ。アクトビラには静止画だけの「アクトビラ ベーシック」、SD動画を利用できる「アクトビラ ビデオ」、そしてHD画質で動画配信をする「アクトビラ ビデオ・フル」がある。これらは基本ストリーミングでの配信だが、2008年からは「ダウンロード型サービス」と、ダウンロードした動画をBDやDVDに記録できる「セルスルー」をそれぞれ開始した。DMR-BW950はこの最新機能に対応している。
アクトビラを利用する準備は本体にLANケーブルを差し込むだけだ。ただし回線は高速ADSL、もしくはフレッツ光などの高速ブロードバンド回線が必要だ。設定に関して面倒なことはなく、住んでいる地域の郵便番号を入力すれば準備は完了だ。ちなみに地域情報を利用しないのであれば郵便番号の入力も不要。「アクトビラ ビデオ・フル」の操作感については変更はないので、過去記事を参照していただきたい。
「ダウンロード型サービス」と「セルスルー」が利用できるのは、現時点では「TSUTAYA TV」でのみとなっている。ただし「TSUTAYA TV」の成功次第では、今後、新規に参加する事業者もでてくるであろうと思われる。
「ダウンロード型サービス」の利用時間は、ダウンロード完了後、主な映画で48時間、海外ドラマなどのテレビシリーズで48時間〜72時間のあいだ視聴できる。「セルスルー」はタイトルを購入する方式なので視聴時間の制限はなく、ダウンロードした作品はBDなどの光メディアや、対応機であればSDなどのメモリーカードに記録できる。ちなみにDMR-BW950では残念ながら光メディアへの書き込みまでにしか対応しておらず、SDメモリーカードへの書き込みはできない。
また、セルスルーのユニークなところは最大で2回までダビングが可能なこと。HDD上に1つ、ディスクに1回のダビングができる。ダビングはムーブではないので、2回ダビングしたあともHDD上には作品が残る。ただし全ての作品が2回のダビングに対応しているわけではなく、1回しかダビングできない作品のほうが実際には多かった。今後、メモリー対応の製品が登場することも予想できるので、ぜひ全作品で「2回ダビング対応」が実現して欲しい。
気になる画質だが「ダウンロード型サービス」の動画はMPEG-4 AVC/H.264方式で圧縮されており、ビットレートは可変VBRで平均10Mbps/最大20Mbpsになっている。これはBSハイビジョン放送なみのクオリティなので、かなりキレイだ。ちなみにストリーミング方式の「アクトビラ ビデオ・フル」は4〜8Mbpsになっている。ダウンロードの方がユーザーが利用するネットの帯域に影響されないので、高画質に楽しめる。ダウンロード時間は10Mbpsの通信速度で2時間の映画を落とした場合、約120分かかる。100Mbps程度での光回線なら数分から数十分でダウンロードが可能だ。
なお、TSUTAYA TVの決済はクレジットカードで行う。TSUTAYAの会員なら新たなID登録は不要だ。TSUTAYAグループのTポイントサービスにも対応する。
いざTSUTAYA TVのメニューを見てみたところ、「どの番組をダウンロードしようか」と、悩んでしまった。2009年3月時点でダウンロードレンタルは約250作品、セルスルーは約350作品が揃う。本数で見るとそこそこのタイトル数がありそうだが、いざお金を払ってダウンロードするとなると、すでにBD-ROMで発売されているタイトルもあり、迷ってしまう。作品としては劇場で見損ねたクローバーフィールドあたりで落ち着きたいが、映画としての画質はいまひとつなので見送らざるを得ない。結局、ジョエル&イーサン・コーエンの監督作品『ノーカントリー』で落ち着いた。テストはダウンロードしたタイトルをBD-Rに書き込んで再生した。DVD-Rへの書き込みにも挑戦しようと試みたが、本作は残念ながダビング可能回数が1回のみだったのであきらめた。
フィルターワークや暗いシーンなどが多い本作品だが、画質は良好で楽しめた。ざっとした画の印象だが、WOWOWのハイビジョン放送と同等のレベルだと感じた。同じ再生環境でBD-ROMと「セルスルー」のコンテンツを書き込んだBD-Rを比べれば微妙にその違いが出てくるのだろうが、個別に楽しむなら気にならない程度だ。
ただ、注意しておきたいのは音声だ。「ダウンロード型サービス」では2chステレオにしか対応していない。5.1chサラウンドで楽しみたい場合は、市販のパッケージタイトルを購入すべきだろう。
価格のバランスも注目すべき点だと筆者は感じている。『ノー・カントリー』のセルスルー価格は3,675円だった。一方、筆者の調査では大手通販ショップではBD盤の『ノー・カントリー スペシャル・コレクターズ・エディション』が3,546円で売られている。作品によってはセルスルーの方が高くなってしまうのだ。セルスルーの場合は、このほかにもメディア代がかかるので、さらにその差は広がってしまう。パッケージソフトにはメイキングなどの特典も含まれており、音声も最新のサラウンド音声で記録されている。現在の価格なら筆者はパッケージタイトルを選ぶだろう。
BDタイトルと競合するなら1本2,000円程度で2回のダビングに対応したり、4,000円前後の価格を付けるのであればパッケージでは手に入らない作品を用意するなど、積極的な努力をファンとしては期待したい。このあたりがセルスルーの次の課題をだと感じた。一方でダウンロードレンタルの魅力はその手軽さ。BDレンタルの普及がやや伸び悩んでいる中で、手軽にHD画質の作品を見られるメリットは大きい。特に海外ドラマにはBD版が発売されていない作品も多いので、好きな作品を高画質で楽しみたいならオススメしたい。