Lightningイヤホンも参考出展

<CES>ゼンハイザーがBTイヤホン「MOMENTUM In-Ear Wireless」を発表。開発者がその特徴を語る

山本 敦
2017年01月06日
2017年のCESに出展するゼンハイザーは、MOMENTUMシリーズのワイヤレスイヤホンを発表した。MOMENTUMシリーズの開発を指揮するクリスチャン・アーン氏に新製品の特徴をインタビューする機会を得た。

新製品の開発を担当したゼンハイザーのクリスチャン・アーン氏

「MOMENTUM In-Ear Wireless」は北米で1月末頃の発売を予定している。価格は199.95ドル(約2.3万円)と案内されていた。

ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「MOMENTUM In-Ear Wireless」

写真をご覧いただけると分かるとおり、MOMENTUM In-Earをベースにネックバンドスタイルに仕上げたBluetoothワイヤレスイヤホンだ。オーディオコーデックはaptXとAACの両方をサポートする。NFCによるワンタッチペアリングに対応したり、2時間の充電で10時間の連続音楽リスニングが楽しめる。

イヤホン部はワイヤードのMOMENTUM In-Earと同じデザイン、構造になる

ワイヤレスイヤホンに必要な機能性を磨き上げながら、ネックバンドには柔らかなシープスキンレザーを用いるなど、プレミアムなデザインと装着感を実現する素材選びにもこだわり抜いた。

ネックバンドにはシープスキンレザーを採用する

音質はどうだろうか? ゼンハイザーのブースに用意されたiPhoneでApple Musicの音源を試聴することができた。短時間で試聴したインプレッションだが、筆者が何度も繰り返し聴いてきたワイヤードのMOMENTUM In-Earと比べて、良い意味で“変わらない音”がする。

ボーカルを聴くと、目の覚めるような透明なハイトーンに息を呑む。アコースティック楽器が奏でるメロディも、むやみな色づけがなく自然としみこんでくる。低域は全体のバランスを重視しながらも、骨太なインパクトを伝えてくれる。いい手応えだ。

アーン氏も本機のチューニングについて「まさしく既存のMOMENTUM In-Earが持つ魅力を、ワイヤレスイヤホンにしてもそのまま再現することに腐心したし、これが実現できたと思う」と胸を張って語った。ドライバーユニットやハウジングの構造、素材などはMOMENTUM In-Earと同じものが使われている。とはいえ、パッシブタイプのワイヤードイヤホンの音をBluetoothワイヤレスの環境をベースに実現することの苦労が並大抵でなかったことは想像に難くない。

ペアリングしたスマホの音楽再生を操作するリモコンボタンはネックバンドの左側にまとめている。本体にはマイクも搭載されており、ハンズフリー通話は着信があるとネックバンドにバイブレーションが伝わりユーザーに知らせるギミックも盛り込んだ。持ち運びに便利なハードタイプのキャリングケースが付属するという。

本体にリモコンボタンを搭載。ハンズフリー通話にも対応する

MOMENTUM In-EarをベースにしたLightningコネクター仕様のイヤホンも、プロトタイプをつくって参考展示している。こちらはまだ価格・発売時期ともに未定で、「MOMENTUMシリーズが広げられることに幅広くチャレンジしたスタディモデル」であるとアーン氏が位置づける。内蔵するDACチップの仕様などもまだ明らかにされていなかった。こちらはレッドとクロームブラックの2タイプの試作機が展示されていた。

Lightning端子を搭載するMOMENTUM In-Earの試作機。レッドとクロームブラックの2色が揃う

ヘッドホンは秋に日本国内でも発売されたミドルレンジの「HD 4シリーズ」をベースにした、Bluetoothワイヤレスヘッドホン「HD4.40BT」と、ワイヤレスにノイズキャンセリング機能をまとめこんだ「HD4.50BTNC」の2種類での展開を予定する。

HD4.40 BT

HD4.50 BTNC

それぞれにBluetoothオーディオはaptXコーデックをサポート。HD4.50BTNCはフィードフォワード方式のみになるが、ゼンハイザー独自のアクティブノイズキャンセリング機能「NoiseGard」を搭載したゼンハイザーのノイキャンヘッドホン入門機だ。

アーン氏は「ワイヤレスヘッドホン・イヤホンの市場はこれからもますます勢いよく伸びていくとみている。ゼンハイザーにとっても注力するべき分野」と語る。この方針を踏まえて、今後はワイヤレス製品のラインナップを積極的に拡大していくと明言した。新製品の日本上陸が今から楽しみだ。

もうひとつ、ゼンハイザーが一昨年の秋に発表した立体音響の新技術「AMBEO(アンビオ)」に関連する新しい展開も発表された。発表当初は「Sennheiser 3D Immersive Audio」と呼ばれていた技術が、昨年のCESで「AMBEO」にチューンアップ。ゲーミングや音楽の生ライブ系コンテンツの録音からリスニングまで、ゼンハイザーが一貫したソリューションを届けることで、新たな音楽体験を提案するものとして認知を拡大している。

AMBEOのコンセプトモデルとして紹介されたバイノーラル録音に対応するマイク付イヤホン

今年のCESではAMBEOのコンセプトを立体音響からバイノーラル録音にまで広げた。会場には試作機ではあるが、ゼンハイザーのグループ会社であるノイマンのマイクロフォン技術を活かしたマイクユニットを左右の本体に乗せた、バイノーラル録音対応のイヤホンをお披露目。スマートフォンにはUSBでデジタル接続ができるように作り込まれていた。

iPhoneにUSB変換端子を使ってデジタル接続する

会場に特設されたデモルームでは、試作機を装着してiPhoneで録ったバイノーラル録音の動画素材を、iPadで再生してリアルなサウンドをプレイバックできる展示が好評を博していた。ゼンハイザーでは立体音響に留まらず、バイノーラル録音も含めた、リッチなサウンド体験全体を新たに「AMBEO」としてブランディングしながら、今後も積極的に展開していく方針を打ち出すことになりそうだ。

その一環として、1本のボディに4つのマイクユニットを乗せて360度の立体サラウンド音声を録音できる「AMBEO VR MIC」の発売も、欧州・北米を皮切りにスタートする。VR映像を製作するプロフェッショナルにとって耳寄りな情報が届いた。

360度の立体サウンドが録音できる「AMBEO VR MIC」

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