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パナソニック小塚氏、ソニー篠原氏に訊く

<CES>4K/HDRテレビの認定基準“Ultra HD プレミアム”登場の背景とは?UHDAのキーマンに直撃!

公開日 2016/01/12 12:59 折原 一也
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既報の通り、米国ラスベガスで開催されたCES 2016にて、「UHD Alliance」(UHDA)は現地時間1月4日にプレスカンファレンスを開催した。ここで、エンドユーザー向けのディスプレイデバイスに対する「Ultra HD プレミアム」のロゴ認定プログラムと、詳細スペック基準が発表された(関連ニュース)。

UHD Allianceのメンバーとして、その一連の規格化を日本の家電メーカーの立場から手がけたパナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 メディアアライアンス担当部長の小塚雅之氏、ソニー(株)RDSプラットフォーム研究開発企画部門 VEプロジェクト室 総括部長 篠原浩昭氏の2人に、CES現地でその狙いと背景を訊ねた。

小塚雅之氏(左)、篠原浩昭氏(右)

なお、パナソニック、ソニーらの参加する映像関連の規格化では、本サイトでも詳細をお伝えしている「Ultra HD Blu-ray」の取り組みを連想するかもしれないが、「UHD Alliance」は別団体だ。「コンテンツ」の立場から映画スタジオら5社、「配信サービス」の立場からNetflixら6社、「TVメーカー」からパナソニック、ソニーら12社、「技術サービス」からドルビー、テクニカラーら12社の全35社が参加している。その顔ぶれとして、光ディスクとは直接関係のない配信事業者であるNetflixらも加わっていることが新しい。

「UHD Alliance」全体の概要

「UHD Alliance」の取締役会社、貢献会員会社の構成

小塚氏は「今回、ハリウッドの映画スタジオ4社(ソニーピクチャーズの立場はソニーが兼任している)を交えてこのような取り組みをした背景には、まずHDR/4Kを皆で一丸となってプロモーションしたいという思いがあり、そして“画質”が大きな理由になりました」と語る。

「今までも、スタジオ側はBlu-rayの規格に参加していました。しかし、Blu-rayではテレビの規格は保証していないこともあり、Blu-rayコンテンツをテレビに表示した際に本来の画質が表現できないことに対して、スタジオ側でずっと歯がゆく思っている部分もあったんです。そのような背景もあって今回は、4K/HDR収録による高品質コンテンツを収録したUltra HD Blu-rayを、表示デバイスで本来のクオリティで表現できるよう、スタジオ側からも積極的な取り組みをいただきました」(小塚氏)

篠原氏は「去年のCES 2015でUHD Allianceの設立を発表し、そこから1年かけてUltra HD プレミアムのスペックを作り上げました。Ultra HD プレミアムを始めとした取り組みのキーワードは、“制作者の意図をどう届けるか”なんです。作った映像を各段階で捨てることなく視聴者まで届けたい、という発想がありました」と振り返った。

ハリウッドの映画スタジオが、Ultra HD Blu-rayや映像配信といったメディアの枠を超えて、最終の表示デバイスのクオリティにコミットするという異例の取り組みになったことには、「HDから4Kへの進化だけではなく、HDRについてもしっかりとした性能で表示させることで、消費者にもそのクオリティの違いが分かるものにする」という意向が働いている。

消費者に分かりやすい高画質を策定する「UHD Alliance」

UHD Allianceの団体としても、「Ultra HD プレミアム」のロゴ策定を通して現在の議決権を持つ「取締役会会社」、議論への参加ができる「貢献会員会社」の他に、新たにロゴを取得する会社の参加を認める方針を打ち出している。

次ページ消費者実験を通じて制定された「Ultra HD プレミアム」のスペック

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