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欧州の価格は999ユーロ

<CES>ベイヤーダイナミック、新テスラドライバー搭載の「T5p 2nd Generation」

2016/01/08 山本 敦
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CESに出展するbeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)が、国内で2010年に発売されたテスラドライバー搭載の密閉型ハイエンドヘッドホン「T5p」を約6年振りにリニューアル。新モデル「T5p 2nd Generation」を出展した。


密閉型ハイエンドヘッドホン「T5p 2nd Generation」を世界初披露
本機は、HiFiクラスのヘッドホンサウンドをポータブル環境で楽しむために作られた密閉型モデル。昨秋発売された半密閉型の最上位モデル「T1 2nd Generation」(関連ニュース)と同様、ベイヤーダイナミック独自のテスラドライバーに改良を加えた最新ドライバーを搭載している。

ベイヤーダイナミックの本拠地であるドイツ・ハイルブロンの工場では、先週から量産ラインが稼働をスタート。欧州では1月末から出荷を開始する。価格は999ユーロ(約12.7万円)になる見込みだという。本機の特徴を、ベイヤーダイナミックでハイエンドヘッドホンの開発を担当するクラウス・ハンセルマン氏が紹介してくれた。

本機は「T1」シリーズに代表される、テスラドライバーによる高解像でパワフルな原音再生を、ポータブルリスニングで実現することを主眼において開発されたヘッドホンだ。ハウジングを密閉型とし、「DAPやスマートフォンでも余裕を持って駆動できるよう、32Ωのインピーダンス設計とした」とハンセルマン氏は語っている。

本機に搭載されたテスラドライバーは、前機種から数々の改良を加えたものを採用。世代としては「T1 2nd Generation」と同じものになる。「1テスラ(1万ガウス)」を越える強力な磁束密度を生み出すリングマグネットはドライバーの構造体であるバッフルへ強固にマウント。振動板をバッフルに対して頑丈に固定するためにメッシュ素材は粗いテクスチャーのものに変更して共振の低減を図っている。ピストンモーションの範囲を広く確保し、再生帯域を拡大するとともに駆動効率を高めている。

最新のテスラドライバーを搭載。T5pのタグも付けている

ベイヤーダイナミックのクラウス・ハンセルマン氏

サウンドのチューニングについてハンセルマン氏は「低域の存在感を高めるとともに、高域にわずかに残っていたキツいピーク感を取り除いて、ソフトな聴き心地が得られるようバランスを整えた。バッフルのマテリアルを見直したことで、ミッドレンジの安定感が高められたので、特にボーカルの帯域の透明感が上がり、自然でリラックスしたサウンドが楽しめるようになったことが大きな特徴」とコメント。「“第2世代”にステップアップした実感は、おそらくT1よりもT5の方がさらに強く実感していただけるだろう」と胸を張った。なお再生周波数帯域は5Hz〜50kHz、感度は102dBとしている。

専用ケースが付属する

イヤーパッドは初代機と比べてやや厚くした

ケーブルは新たに着脱式構造を採用。左右両出しとし、導体に7N OCC線を使っている。1.4mのポータブルリスニング用ケーブルの他、3mのホームリスニング用シングルエンド、4pinシングルのバランス端子採用ケーブルの2種類をオプションで用意する。ヘッドバンドやイヤーパッドには日本製の合成皮革プロテインレザーを採用し、イヤーパッドは初代のT5pよりも若干厚みを加えて装着感を高めた。イヤーカップの内部容積も広く取り、長時間リスニング時の負担を和らげる工夫を盛り込む。

ソース機器側のプラグは左がT1 2ndのものでロック付き。T5p 2ndではポータブルでの利用が前提なのでプラグの長さを短くして、標準変換プラグの使用頻度も考慮してロックは付けていない

A20と組み合わせて試聴ができた

ブースでは同社のヘッドホンアンプ「A20」をリファレンスに音質をチェックすることができた。密閉型ながら抜けの良い高域を特徴としており、特にボーカルの透明感とディティールの自然な再現力に富む。オーケストラは個々の楽器の定位感が非常に鮮明で、弦楽器の質感も滑らかなタッチで聴かせる。Daft Punkの『Get Lucky』では明るく伸びのあるボーカルと、キレ味鋭い緊張感あふれる低域が楽しめた。日本上陸のアナウンスも期待して待ちたい。

ヘッドバンドもプロテインレザーとベロアのコンビネーションを採用

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