銘機が6年ぶりに第2世代へ

【レビュー】beyerdynamic「T1 2nd Generation」を聴く。初代機からどう進化した?

岩井喬

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2015年11月27日
高磁束密度モデルの先駆けともいえるテスラテクノロジーを採用したbeyerdynamicのフラッグシップヘッドホン「T1」登場から6年余り。

T1の時代に応える高解像度で上品なサウンドは、現在でも古さを感じさせない一線級のクオリティだが、一方で低域の量感がもう少し欲しい、さらにはバランス駆動に対応してほしい(T1のケーブルそのものは左右独立平行線で、端末部の端子を交換すれば自己責任でバランス駆動に対応させることはできる)といった声も多く、beyerdynamicとしても2015年現在での理想形を示しておきたいという思いがあったのかもしれない。

T1 2nd Generationは初代T1から何が進化したか?

この夏、世界に先駆け日本で発表を行った「T1 2nd Generation」(関連ニュース)は、心臓部であるテスラドライバーそのものにも手を入れるとともに、筺体構造や仕様に至るまで見直しを図り、サウンド面でもT1から大きく進化を遂げた。

beyerdynamicの新フラグシップヘッドホン「T1 2nd Generation」


テスラドライバーは高域の不要な共鳴を抑制し、歪みの少ない音伸びの良さを追求。低域の再生能力もよりパワフルさを増しているが、ただ量感を増やすのではなく、締まりのある高密度で正確な再現性を高めたという。

またドライバーユニットが取り付けられるバッフル形状についても大きく変更され、ドライバーを取り付ける位置や角度、精度を見直すことで共振ノイズの発生を抑え、正確な振動運動の助けとしている。

「T1 2nd Generation」に搭載されたテスラドライバー

ドライバーの取り付け位置や角度も見直した

セミオープン構造のヌケ良くバランス良いサウンド特性はそのまま継承。インピーダンスもボイスコイルを細く軽量な構成とした600Ω仕様を引き継いでいる。

そして外見上大きく変わったのは、両出しケーブルの構造だ。今回の変更で着脱式となったが、挿入部(φ3.5mmステレオミニプラグ)に角度をつけ、肩口の邪魔にならないスマートな仕様となった。

ケーブルは着脱式に。リケーブルが可能になった

両出しケーブルの角度が変化。装着時の快適性を高めた

導体は7N-OCCを採用し、外部ノイズに強いテキスタイルコーティング(繊布被覆)を施したストレート形状で、末端は従来のφ6.3mm標準プラグからφ3.5mmミニプラグ+φ6.3mm標準変換プラグつきとなった。これによりポータブルアンプなどと直結しやすくなり、使い勝手も向上した。この仕様変更に合わせ、オプションでバランス駆動用ケーブル(XLR4ピン)も用意されている。

イヤーパッドはホローファイバー繊維を用いたソフトベロア素材による装着感の高いものに変更され、メモリーフォーム素材のクッションを取り入れたことで、さらにストレスの少ない快適なリスニングを実現した。

さらにヘッドバンドのパッド部は、より耐久力の高いしなやかなプロテイン配合のソフトレザーが採用された。それまでの牛皮は質感の高さが特長ではあるものの、汗の吸収によるシミや表面の摩耗などの点で問題点も見えてきたため、長期間安定した特性を持つ素材選びを行ったそうだ。

加えてキャリングケースについても持ち運びしやすいファブリック素材のセミハードケースが採用され、プレミアム感を損なわず、より利便性の高いプロダクトとしてのブラッシュアップが行われている。

キャリングケースはセミハードケースを採用した

T1 2ndと初代T1の音質を聴き比べる!

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