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増収増益もモバイルでの減損などで1260億円の赤字

ソニー、テレビ事業が11年ぶりに通期黒字を達成

公開日 2015/04/30 17:10 編集部:小野佳希
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金融ビジネス収入は、主にソニー生命の増収により、前年度比9.0%増加し、1兆836億円。営業利益は、主にソニー生命の増益により、前年度に比べ230億円増加し、1,933億円となった。

金融分野

その他分野の売上高は、前年度比42.8%減少し、4,911億円。この大幅な減収は、主にPC事業収束によるもの。

なお、2014年度第4四半期単体での売上高は、前年同期に比べ3.6%増加し、1兆9,377億円。営業損失は、前年同期に比べ140億円縮小し、978億円。四半期純損失は、前年同期に比べ315億円縮小し、1,068億円だった。

■2015年度は全体でも通期黒字を見込む

2015年度の通期業績は、売上高で前年比3.8%減の7兆9,000億円、営業利益で前年から2,515億円増の3,200億円、そして純利益で前年度2,660億円増の1,400億円という黒字化を見込む。

2015年度の業績見通し

なお、2015年4月1日付の組織変更にともない、業績報告におけるビジネスセグメント区分を変更。その他分野に含まれていた日本のディスク製造事業を音楽分野に、ソネット株式会社及びその子会社をMC分野にそれぞれ統合する。また、従来のデバイス分野に含まれていた純正車載オーディオ機器をHE&S分野に移管する。

2015年度の連結売上高は、デバイス分野と映画分野の増収を見込むが、それ以外の分野で減収が見込まれることなどから、前年度比で減少を見込んでいる。 連結営業利益については、2014年度にMC分野で営業権の減損の計上があったことや、2015年度にPC事業収束にともなう費用や構造改革費用の減少が見込まれること、ならびにデバイス分野での増益が見込まれることなどから、前年度比で大幅な増益を見込んでいる。なお、 2015年度の構造改革費用は、グループ全体で約350億円を見込んでいる(2014年度実績は980億円)。

セグメント別業績見通し

HE&S分野では、収益構造の改善に向け、規模を追わない戦略を徹底し、液晶テレビの販売台数が減少することにより、減収を見込む。営業利益については、減収の悪影響及び、コストの米ドル建て比率が高く米ドル高が損益に悪影響を与えることなどにより、減益を見込んでいる。

ドル/ユーロがそれぞれ1円動いた際の為替の影響予想も修正

なお、当年度の配当金は無配としたが、2015年度については、中間配当金として1株につき10円を支払う予定。ただし2015年度の期末配当金については、現時点では未定。

■2015年度は「中期目標達成のための投資の年」

吉田氏は、2014年度について3つの見方ができると総括「赤字が続いていたエレクトロニクス事業を始め、止血のためのいろんなアクションを地道に実行した年」であり、「成長牽引領域」「安定収益領域」「事業変動リスクコントロール領域」と各事業ポートフォリオを見直し、「今後3年のやり方を決めた年」だったとコメント。そして「より長期的には、(中期目標の2017年以後も)5,000億円の利益を継続し、新しいチャレンジできるようになっていくために、投資をしていこうと腹を決めた年だった」と続け、「2015年度はそれを実行する年だ」と述べた。

そして第2次中期計画の初年度にあたる2015年度を、「中期目標達成のための投資の年という位置づけ」だと説明。「2017年度に5,000億円という利益目標は、ソニーの歴史を振り返ってみても20年ぶりの水準だ」とし。これを達成した後も継続して利益を出していけるように様々な施策を行っていくと述べ、なかでも「引き続きリカーリング型事業に注力していきたい」とした。

連結営業利益の推移

また、「半分は病み上がりという状況だが、リストラの大部分は終了し、赤字、無配という状況は脱しつつある」とコメント。2015年度の通期見通しでは「過去7年で15回ほどの下方修正をしていて、その反省にたって、下方修正を避ける配慮をした」とし、アナリストらが予想する数値よりも抑えたものにしていると説明した。

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