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増収増益もモバイルでの減損などで1260億円の赤字

ソニー、テレビ事業が11年ぶりに通期黒字を達成

公開日 2015/04/30 17:10 編集部:小野佳希
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営業損益は、前年度の255億円の損失に対し、当年度は201億円の利益。コストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の悪影響があったが、主に、コスト削減及び高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善などにより、分野全体で大幅な損益改善となった。

HE&S分野

なお、テレビについては、売上高は前年度比10.7%増加の8,351億円。この増収は、主に、前述の販売台数の増加及び為替の影響によるもの。営業損益については、コストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の悪影響があったが、コスト削減及び高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善などにより、前年度の257億円の損失に対し、当年度は83億円の利益を計上し、2003年度以来11年ぶりにテレビ事業の黒字化を達成した。

なお発表会で業績の説明にあたったCFOの吉田氏は、テレビ事業について「一部商品の導入が遅れた影響で第一四半期は赤字となる可能性もあるが、2015年度も通期での黒字を予想している」とコメント。

加えて、「過去3年に渡って大幅に固定費を縮小し、いたずらに量を追わずにやってきたことが大きい」と黒字化の要因を説明。「テレビがサスティナブルにやっていけそうかどうかということには大きな意味がある」と続けた。

なお、テレビだけでなくスマートフォンやデジタルカメラでも数を追わない戦略をとっていることについて、メディアからは「新興国などにおけるボリュームゾーンでのソニーの影響力低下につながるのではないか」といった指摘も。これに対して吉田氏は「たしかにその側面はあるだろう」としながらも、「ただ、スマホとテレビはいったんしゃがむ、リスクをマネージメントすると決めた。そこから次を考えるということだ。新興国ではボリュームゾーン(中級価格帯)で勝負しないといけないわけではない。新興国でもハイエンドということもあり得る」と回答した。

■スマホ売上改善も円安の悪影響などで損益悪化

スマートフォンなどMC分野の売上高は、高付加価値モデルへの注力による製品ミックスの改善や為替の影響などにより、前年度比11.0%増加し、1兆3,233億円。営業損益は、前年度の126億円の利益に対し、当年度は2,204億円の損失となった。前述の製品ミックスの改善があったが、前述の営業権の減損の計上に加え、コストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の悪影響などにより損益が悪化した。

MC分野

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