HOME > ニュース > パナソニックの1Q業績は売上げ微増、純利益は1,078億円 − スマホは「戦略練り直し」

収益力改善効果で利益増

パナソニックの1Q業績は売上げ微増、純利益は1,078億円 − スマホは「戦略練り直し」

公開日 2013/07/31 16:39 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■質疑応答 − アベノミクスや為替の影響は?

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.アベノミクスの効果について実感しているものがあれば教えてほしい。

A.為替などの面では全体としては効果が出ていると思う。ただ今後、中期的なもののほうが大きいのではないかと思っている。投資減税など税制を含めた改革が、我々の成長戦略を打っていくなかで効果が出てくるのではないか。

Q.通期見通しを変えなかった理由をもっと詳しくききたい。

A.売上はこういう状態でいくだろう。できるだけ収益力の向上を重視していく。利益については、営業利益2,500億円に向けて順調に推移している。しっかりこれをやりきっていきたい。純利益については色々な要素があってこの水準になった。今後、できるだけ収益力をあげて、次年度以降確実な収益力向上をはかっていきたい。ただ、まだ第一四半期の状況なので、通期見通しについてはタイミングをみてまたお話したい。

Q.第2四半期以降のネガティブ要因は何かあるのか。

A.携帯電話の話が結構あったが、こういう部分もどう変えていくのかを考えてなければいけない。デジカメもテレビもそうだ。全体としてデジタルコンシューマー関係は世界的に厳しい市況が続いている。あえて言うなら、こういうところをどうしっかりやっていけるかだと思っている。

Q.通期見通しの前提レートも変更しないのか。

A.年間の為替レートの動きは下期が不透明なこともあり、変更はしていない。なお、為替が1円動いた場合の年間営業利益への影響は、ドルで10億円、ユーロで17億円、人民元でマイナス52億円という水準。カンパニー別では、アプライアンスでマイナス11億円、ESでマイナス9億円、AVCではプラス10億円、AISで16億円くらいの影響がある。

Q.営業利益の改善について、為替の影響が80億円ということだが、カンパニー別での数字を教えてほしい。

A.アプライアンスがマイナス50億円、エコソリューションズでマイナス40億円、AVCネットワークスでプラス50億円、オートモーティブでプラス75億円、その他の事業でプラス45億円だ。

Q.ヘルスケア社の一部株式の売却について進捗をききたい。

A.パートナー候補の企業と交渉中だ。具体的に言えるものはない。2013年度中にしっかり事業の方向性を出していきたい。

Q.エアコン事業がかなりの減益だが、対策を具体的にききたい。

A.中国の不振が特に大きかった。流通在庫が多いというのもあったが、河南地区での天候不順や政府の補助金終了などもあり、中国全体で市況が落ち込んでいる。まずは在庫対策をしっかりしなきゃいけないと思っている。

品揃えが多いので少し時間はかかるかもしれないが、色々な販売活動でカバーしていけると思っている。エアコンはアプライアンスの中核。販売前倒しなど色々な施策で収益回復を目指していきたい。

Q.円安についてききたい。小型二次電池に関しての円安効果はどれくらいあるのか。円安による販売増があるのだとしたら、生産は足りているのか。また、白物は円安でマイナスの影響が出ているが、生産体制の見直しはあるのか。

A.固定費削減、限界利益の改善の効果が相当出ている。この水準の為替なら十分に競争していける。小型二次電池は、自動車向けメーカーのものはフル生産だが追いついていない。生産能力を増強していかなければならないほど活況だ。白物は生産拠点を移すなどといったレベルではない。地産地消というか、地域にあったものをその地域で作るという施策もあるので、そういうなかでやっていっている。

Q.構造改革費用について、今回はどのような構造改革にあてたのか。また、今後はどのような考えか。

A.大半はソーラー事業関係だ。ハンガリーの工場を集約した。今、日本にいくつか工場があり、マレーシアの工場を増強している。これも今年にフル生産体制に入っていける。また、1200億円という年間計画は変えていない。具体的には申し上げられないが中期計画をやりきるため、必要な構造改革をやりきる。収益が上がれば、必要な構造改革は前倒しするくらいの考えでやっていく。

Q.ソーラー関係の業績がいい。今後の市場動向をどうみているか。

A.元々、幸いにも十分な収益力があった。それに加え、電気買い取り制度の変更に伴う駆け込み需要もあった。この状態はまだしばらく続くと思っている。より収益力をあげるための取り組みを行っていく。北米などその他の地域も市場拡大が見込める。中期的には十分な施策をうっていきたい。パネルのみならず、全体のシステムを提案できるということも大きい。サンヨーやパナソニック電工のものなど、販売網もいくつももっている。それをフル活用する形で強みを生かせている。

Q.エクイティ ファイナンス(公募増資)をやる予定などはないのか。

A.まったく考えていない。フリーキャッシュフローは計画を上回る形で改善が進んでいる。そのぶん、ネット借入金なども順調に償却できている。今後の投資などの資金は、内部で確保していきたい。

Q.鋼材の価格について。値上げの影響や見通しについてどう考えているか。

A.あまり影響をみてはいない。以前に発表した見通しには影響ないとみている。

前へ 1 2 3 4

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック