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「SHV実用化はかなり詰めの段階」

NHK技研公開が開幕 − スーパーハイビジョンや22.2ch音響関連のデモが充実

公開日 2012/05/22 19:03 ファイル・ウェブ編集部
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NHK放送技術研究所がテレビ放送などに関する様々な技術展示を行う「NHK技研公開2012」が本日より開幕した。今週末の5月26日と27日には一般公開も行われる。本項ではスーパーハイビジョン(SHV)および22.2ch音響に関する展示についてレポートする。


■「スーパーハイビジョンなどは、実用化のかなり詰めの段階」

まずは技研公開の開幕にあたり、4月から新たに所長に就任した藤沢秀一氏があいさつ。東北3県もこの3月で地デジ移行したことなどに触れ、「我々としてはデジタル放送システムをベースに放送を成熟させていくという心構えで研究を行っていく。その上で皆さんがワクワクするような技術などを紹介できればと思っている」と述べ、「わくわくが、あふれだす」という今年のテーマを紹介した。

藤沢秀一氏

また、「今やっている研究のフェーズとしては、ハイブリッドキャストやSHVは実用化のかなり詰めの段階にきている」とコメント。「4月25日に就任したばかりの新米所長だが、まず私が推進しなければならないのはこの実用化のフェーズを、タイミングを間違えることなく進めること」と決意を表明した。

SHVについては、出席したメディアから、厳しい経済環境のなかで各メーカーの研究予算などが削られ、それによってNHK側とメーカー側との足並みに乱れが出ないかを心配する声もぶつけられた。この質問に対し、藤沢氏は「メーカー側の状況が厳しいのは私も認識している。ただ、スタンスの違いというのは(経済環境が悪化する以前より)普遍的なものとしてある。我々はサービス側としてハードメーカーに厳しい要求をしているわけだから」とコメント。「ハイブリッドキャストでもそうだが、こうした技術を実現することが有効だということを説明している」とし、「願わくば、そういう形をとることで日本のメーカーの国際競争力の強化に繋がってくれればという思いもある」と言葉を続けた。

一方で、「基礎研究をないがしろにするといったようなことでは全然無い」ともコメント。「次のフェーズにつながることも考えていきたい」とし、ロードマップで示している20年後の裸眼立体テレビ実現が「次のフェーズの第一候補なると思っている」とも語った。

■スーパーハイビジョン関連に大きなスペースを割く

スーパーハイビジョン(SHV)については、パナソニックとの共同開発による145インチのプラズマディスプレイパネル(関連ニュース)や、先日発表した120fps表示対応SHVプロジェクター(関連ニュース)など、多くのスペースを割いて様々な展示を実施している。

145インチ プラズマディスプレイパネル

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