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「テレビ事業の収益性は想定以上に改善」

【更新】ソニー、11年度は4,567億円の赤字 − 今年度は黒字転換と予想

公開日 2012/05/10 17:41 ファイル・ウェブ編集部
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以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.エレキの黒字化を目指すとのことだが、1,800億円の利益見込みのうちどれくらいをエレキでと考えているのか。

A.震災からの復興や洪水からの復興もあり、全社上げて収益の回復に努めている。特にテレビの赤字幅圧縮が手応えがあり、それが大きく利益改善を押し上げている。セグメント別の割合については公開していないが、エレキ全体として黒字を見込んでいる。

Q.コア事業にあげているゲームは減収減益だった。PS Vitaのハード赤字が続いていると思うが、今期の損益見通しに対する影響はどう見ているか。

A.PS Vitaは実売で180万台と、まずまずの滑り出しだと見ている。ポータブル系のハードウェアの販売を今年度は1,600万台を計画しており、ゲーム分野については増収増益を見込んでいる。

Q.1ヶ月前の業績予想修正から500億円以上上ぶれたがその要因をどう考えているのか。

A.結果として600億円くらい改善した。そのうち300億円がオペレーションからくる改善だ。残りは税金費用で、当初の見積もりとの差だ。

Q.電力問題について、今夏も厳しい受給状況が予想されるが対策をどう考えているのか。また、電力料金値上げも見込まれるがその影響はどうか。

A.具体的にどういう供給体制になるかが発表されていないので申し上げづらい。我々としては必要な電力確保としては、自家発電設備の導入などで対応を打つなど生産を切らさないことに全力を挙げている。電力料金の値上げも現段階では見積もりが難しいため数字での回答は致しかねる。

Q.方針説明会ではモバイル事業を重点分野にするとしていた。PC・タブレットを含めた今期のモバイル事業の見込みについて聞きたい。

A.カテゴリ別の見込みは開示していないが、説明会では3年間、2014年までの中期計画のなかで黒字を達成していくとしていた。今年度は分野としては損が拡大するといったが、大きな要因は昨年に評価差益を計上したが今年はそれがないことがある。ただオペレーションそのものについては、収益化に向けてまだ課題が残っているが大幅な進捗を見込んでいる。

Q.モバイルとしての黒字化は来期になるということか?

A.タブレットやPCを含めての数値となるのでそこだけについては言及できない。あえて携帯電話事業だけで例を挙げればフィーチャーフォンのウェイトはどんどん下がっていき、スマートフォンに注力することになるだろう。今までのジョイントベンチャーでは採りにくい施策も思い切って打てる体勢になった。映画や音楽など色々な資産もからめながら、スマートフォン事業をできるだけ早く拡大基調にのせていきたい。

Q.今期の研究開発費について、分野別でどのような感じになるのか。前期との増減などを聞かせてほしい。

A.分野別については開示していない。総額では4,800億円を見込んでいる。これは2011年度より11%多い。ただし構造的に変わった部分があり、ソニーモバイルが以前は含まれていなかったが、今年度は100%連結によりその費用が入ってくる。細かくは開示できないが、ソニーモバイルを除いた部分での開発費は前年より若干抑えている。選択と集中を行いながら研究開発を進めていく。

Q.連結純損益の黒字化の手応えはどうか。為替変動のリスクなどもあると思うが?

A.必達目標として全社で取り組んでいく。例えばユーロが1円動くと営業損益に対するインパクトは昨年度同様に60億円ネガティブに動くと見込んでいる。ドルについては、ドル地域での実入りとコストのバランスが均衡しているので円高になったとしてもグループ全体への影響はほぼゼロだと見ている。最終損益については、間に複雑なデータが色々と入ってくるためご容赦願いたい。

Q.テレビ事業でのEMSの活用について聞きたい。前年度と比べて増やすのか、それとも減らすのか。

A.ODMとOEM合わせて全体の半分程度の活用を見込んでいる。

Q.今期の売上高のイメージを具体的に聞きたい。震災と洪水の影響が薄れる部分の影響は?

A.セグメント別には開示していないが、顕著に影響する部分はソニーモバイルの数字が今年度はフルで連結計上されること。この部分が一番の押し上げ要因だ。見方によっては売上高14%増という予想はかなりアグレッシブだと思われるかもしれないが、ソニーモバイルの連結によるところもあり、順当な線だと考えている。

震災の影響は昨年5月の見積もりで4,400億円と申し上げたと思うが、実際にどうだったのかというを申し上げるのは難しい。サプライチェーンの棄損で部品が入ってこないなどがあった。そこで商品のラインナップそのものを変えていくといった施策も採らざるを得なかった。そのため比較は難しい。

洪水の影響については、売上高で2,000億だと申し上げたかと思う。カテゴリーだとデジタルイメージング、VAIOへの影響が色濃かった。洪水がないということでこのあたりが本来あるべきマーケットポジションまで回復できると思っている。そのほかの領域では、コンポーネントが東北のバッテリーやメディア事業の工場が直接被災したことの影響があった。このあたりの供給は元に戻ってきている。

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