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有機ELテレビについても言及

ソニー、テレビ事業をシェアから利益重視へ方針転換 − 販売目標を2,200万台に下方修正

公開日 2011/07/28 20:02 ファイル・ウェブ編集部
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加藤氏はテレビ事業について「これまでは、市場の成長に合わせて販売台数も拡大させ、付加価値も付けて収益を改善していくというのが基本的な考えだった。しかし欧米では市場が悪化して在庫も積み上がり、価格競争になっている」と説明。

「第2四半期以降は数を売る作戦ではなく、収益を見ながら行動していく」と、方針転換を図ることを明かし、「当初は2,700万台と予想していた年間のテレビ販売台数を、2,200万台ほどの規模に目線をおいて事業を組み立て直す」とした。

CPS分野の営業利益増減要因

こうした説明を受け、質疑応答ではテレビ事業に関する質問が多数寄せられた。「数を追わないということが、どう利益につながっていくのか」との問いには「最近の欧州市場では大型のものが相対的に動きが鈍く、インチサイズが小さく価格競争が激しいものしか動かない。そこで数を追うとなると、1台売るごとに損失が発生するということにもなる」と説明。「シェアを取っていくことも大事だが、それを追求して赤字が膨らむ作戦はとるべきではないという考えだ」と語った。

また、「今後、中小型は止めていくということなのか」という質問も寄せられたが「全世界で小さいサイズをやらないというわけではない。市場に合わせて判断していく」と回答。市場の成長が続く新興国市場などではシェアも狙っていくなど、地域性を考慮しながら展開していくとした。

なお、方針転換を受けて欧州での人員削減などを行うのかという問いも。こちらについては「今回の作戦の一環として、減少した売上規模でも収益を上げる事業構造にしていかなければならない」とコメント。「身の丈にあった体にしていかなければならないかなと考えている」と述べ、「販売体制や間接系も含めて、収益構造の見直しにもう一段入っていくということだ」と続けた。

さらに、質疑応答においては有機ELテレビについても言及された。「LGやサムスンが大型有機ELを出してくるという報道もあるが」と水を向けられると「報道などについては特に申し上げるべきことはない」としながら、「大型については鋭意努力を続けていて、業務用で24インチをすでに出している」と説明。「今後について、今の時点でこうだ、とは申し上げにくい。色々なオプションを検討している段階だ」とした。

加えて、「業務用有機ELはおかげさまで評価が高い」ともコメント。「有機ELに関しては、現状ではまず業務用で実績を積み、将来の展開を検討していっている」と語った。

そして、テレビ事業の黒字転換見通しについては「今年はまだブレイクイーブンには遠いかと思っている。いつ黒字転換するかということは、軽々しくは言いにくい」とコメント。「こういう状況なので、もう一度作戦を立てて、その成果を見ながら次のステップへと考えている」と説明した。

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