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【CES】折原一也のCESレポート − 薄型テレビの二大トレンド「スマートTV」「3D」を読み解く

公開日 2011/01/09 11:02 折原一也
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スマートフォン連携、Apps、クラウドサービスがキーワード

2011年のCES会場を見渡すと、けっして3Dが話題を独占しているとは言い切れない。3Dと同規模のスペースを割いて、“スマートTV”の製品や機能が強くアピールされていたからだ。スマートTVという言葉には明確な定義はなく、サムスン、LGらが積極的に使用しているワードだが、スマートTVの機能として提案されているのは、大きく以下の3つの要素にまとめることができる。なお、各社が必ずしも3つの要素すべてを揃えている訳ではないことを先に断っておく。

韓国勢はスマートTVを推進(写真はLGによる後付けのモジュール)

とにかくスペースを割いていたのはLGとサムスン

第1に、スマートフォン連携機能を備えていることだ。日本では東芝による「REGZA Apps Connect」が一歩先行したが、今回のデモ展示では様々なメーカーの製品がスマートフォン連携への対応を打ち出している。ソニーのBRAVIAはiOS系端末とAndroid端末との連携を紹介すれば、パナソニックは「VIERA Connect」で同社のAndroidベースのタブレット端末との連携モデルを発表した。シャープも同様に、基本的なリモコン操作とキーボード入力の機能は最低限として、音声認識による文字入力であったり、チャット機能やスマートフォン側で映像を視聴できる機能も盛り込んだり、独自に連携機能を充実させていく考えだ。

ソニーエクスペリアの新モデルでデモ

パナソニックは開発中のAndroidタブレットを披露

第2にAppsに対応していること。スマートフォン向けのAppsと同様の使い勝手で、ハードウェア向けに制作されたアプリケーションをテレビにインストールして使う楽しみ方を採用している。サムスン、LGのほかパナソニック、シャープもAppsを使ったスマートTVのデモを展示していた。

テレビ用Appsのオープンな開発プラットフォームを提供して、幅広い開発者の取り込みを図っているのはサムスンの「Samsung Apps」、LGの「LG Apps」であり、韓国勢は特にプラットフォームのオープン化に積極的だ。

パナソニックの「VIERA Cast」もダウンロードによるサービスモデルを説明をしていたが、詳細は伏せられていた。ほかにも東芝はYahoo! Connected TV、シャープはHuluの提供しているAppsプラットフォームを取り込んでいる。また、Google TVをベースにしたソニーの「Sony Internet TV」も、もちろんアプリ開発環境はオープンにされており、今後の拡充が期待される。

シャープのApps画面

LGはAppsをユーザーも開発できる

第3にネットサービスを積極的に組み込み、特にクラウド型のサービスモデルを提供していることだ。昨年は東芝による「REGZA Apps Connect」やソニーのコンテンツ配信サービス「Qriocity」が発表され、ネットコンテンツとテレビが連動するサービスが登場してきている。

北米向けサービスとして注目したいのは、VODプラットフォームの定着ぶりだ。北米では元々多くの世帯でCATVに加入して有料放送を視聴する文化があり、テレビがネットに接続していくことによって、価格面でもお得なサービスとしてNetFlix、CinemaNow、HuluといったVODサービスが普及しつつある。なかでもDVDのオンラインレンタルでスタートしたNetFlixは月額7.99ドルの定額VODによって2000万近いサービス会員を集めているという。VODサービスは各社の最新薄型テレビやBDプレーヤーの多くの機種が対応している。

ソーシャルTVとしての機能も積極的に開発が進められている。日本では「ニコニコ動画」によるコメント機能が人気のサービスだが、似たようなサービスをLGがスマートTVで実現しようとしている。パナソニックも「ソーシャルTV」としてオンラインの友人とESPNのスポーツを視聴してコメントしたり、勝敗を予想できる機能をデモ。TwitterやFacebookの表示機能は、これまでのテレビでも実装されているものが多かったが、今後はこれらのソーシャルサービスとテレビを組み合わせることで、PCと異なるコンテンツ視聴体験をもたらすことができるかが鍵になるだろう。

東芝レグザも北米モデルでは新GUIで映像配信に対応

パナソニックはチャットで勝敗を予想しながら視聴する機能をデモ


Facebookと連動するサムスンのチャット機能
米国と日本ではVODの普及状況が異なっているため、米国のスマートTVのサービスがそのまま日本に持ち込まれるとは限らないが、少なくともスマートフォン連携は今年のモデルから各社が採用していく可能性が高い。

テレビ向けのAppsは本格的なものはまだ日本で展開されていないが、開発プラットフォームがオープンなサービスが日本に持ち込まれたら、意外と早く火が付く可能性もある。さらにクラウド型サービスとソーシャルサービス連携については、テレビ番組の録画を楽しむユーザーが多い、日本ならではのサービスを期待できるかもしれない。

いずれにせよ、今回挙げた3つのスマートTVのサービスが、コンセプトのデモや技術展示といったレベルではなく、すぐに使用可能な製品に近い試作機の展示を行い、より現実味を帯びた端末とサービスの形で提示されていたのは非常に興味深い。

筆者は2011年の薄型テレビについて、3Dが良い意味で当たり前の機能になり普及のペースを早める一方、今年の話題として最も盛り上がるのがスマートTVと考えている。2011年はエコポイント終了の反動でテレビの売り上げが落ちることも予想されているが、製品としてのテレビの魅力はむしろさらに増していく一年になりそうだ。

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