HOME > ニュース > 映画館で映画以外のコンテンツを上映する「ODS」勉強会が開催 - 関係者がビジネスの可能性を語る

海外事例や3Dにも言及

映画館で映画以外のコンテンツを上映する「ODS」勉強会が開催 - 関係者がビジネスの可能性を語る

公開日 2010/06/17 18:07 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
映画館で映画以外の様々なコンテンツを上映する「ODS(Other Digital Stuff/Online Digital Source)」のノウハウ共有などを目的とした勉強会が、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて本日開催された。


本イベントは、ODSのノウハウを業界関係者で共有し、映画館でのソフト展開の可能性を模索することを目的としたもの。音楽や映像配信などを行う(株)ミュージックエアポート、全国に映画館を展開するTOHOシネマズ(株)、ネットワークビジネスのコンサルティングなどを行うTEDコーポレーションの3社共催によって開催された。

ODSについては、まずミュージックエアポート代表取締役の斉藤豊氏がその可能性を説明。「当社は、新しい音楽の出口、新しい音楽の届け方を開発し、様々な取り組みを行っている。その中でも今一番興味を持っているのがODSだ」と語る斉藤氏は、大きなスクリーンと映画館の音響設備を利用できるODSの魅力を説明する。

ミュージックエアポートが行っている取り組み

続いて斉藤氏は、ラルク・アン・シエルのパリ公演をODSで日本に中継したことなど過去の事例を紹介。「同公演では、開演が日本時間の深夜3時だった。それまで来場者はロビーでグッズを購入したり、飲食をしながら開演を待っていた」と説明した後に、「開演後はライブに合わせて来場者も踊ったりするので、映画館が揺れるということも体験した」と言葉を続け、非常に盛況だったことを紹介した。

「将来的には、日本のライブを世界に同時中継していくような展開も行いたい」と展望を語る斉藤氏は、ODSにおける同社の役割についても紹介。企画などの準備段階から配給、そして最後の収益分配までを提供していることを説明し、「携帯電話やインターネットを利用したプロモーションや、当日のグッズ販売なども含めてサービスを一元的に提供している」とした。

ODSにおけるミュージックエアポートの役割

そして、収益配分割合などビジネスモデルの例も明かしながら、ODSが持つ可能性に言及。「コンサートには一度の集客に限界がある。また、ドームなどの大きな会場がない都市にも映画館はある」とODSによって動員数を増やせるとコメント。「TOHOシネマズでは、CDを購入するとオリコンのランキング集計に反映される。これを利用してレコ発イベントのライブ中継などをやっても面白いのではないか」と語り、「UstreamやIPTVなども今後さらに盛り上がってくるだろう。こうしたものを包括的に使い、様々な新しい体験をユーザーに提供していきたい」と言葉を続けた。

複合的な展開で収益増を図る

斉藤氏に続いて、TEDコーポレーション代表取締役の前田融氏が登壇。過去に宇多田ヒカルのビデオコンサート「LUV LIVE REMIX 〜hello from New York〜」や、布袋寅泰の公式サイト「HOTEI.COM」起ち上げなどに携わった経験を持つ前田氏は、「ODSについては昨年始めくらいから興味を持っていたが、一番『やりたい』と思ったのは去年のマイケル・ジャクソンのライブを観に行ったときだった」とコメント。「昔に比べて映画館の音が凄く良くなった。これなら音楽を流してもユーザーに楽しんでもらえるのではないかと思った」と語る。

しかしその一方で、「ODSの技術はある程度確立されているが、これをビジネスとして安定して続けていくためにどうすればいいかが重要だ」ともコメントし、「そうした点を我々がミュージックエアポートと協力してサポートしていきたい」と意気込みを語った。

次ページ過去にはXジャパンやAKB48で大量動員も

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE