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マランツ渾身の自信作 − 音にこだわったフロントサラウンド“CINEMARIUM”

公開日 2007/06/08 13:28
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薄型テレビの普及拡大に伴い、フロントサラウンドシステムが脚光を浴びている。ご存じのように、地上デジタルやBSデジタルではAACというフォーマットで音声が送られてくるが、最近では5.1chサラウンドで放送される番組も増えてきた。また、DVDやBD/HD DVDは、その多くがサラウンド音声を収録している。当然の事ながら、テレビの脇に装備された小さなスピーカーだけでは、送られてくる音声を忠実に再現することは難しい。これらのサラウンド音声を100%楽しむには、別途サラウンドシステムを購入する必要が出てくる。

サラウンドシステムといえば、真っ先に思い浮かぶのは、フロント、センター、リアスピーカーにサブウーファーを加えた5.1chスピーカーシステムだろう。だが、これを導入するためには、設置スペースやケーブルの引き回しという大きな障害をクリアする必要が出てくる。5.1chシステムが欲しいけど、スピーカーの置き場所に困って設置を断念した、という方は決して少なくないはずだ。

フロントサラウンドは薄型テレビ時代の必携アイテム

フロントサラウンドシステムならば、このスペースという問題は一気に解決できる。その名の通り、スピーカーはフロントに置くだけでよいので、テレビの上下などに設置すれば、すっきりと設置が可能。最新のデジタル処理技術により、5.1chサラウンドに勝るとも劣らない音場再現が可能となる。また、そのコンパクトな筐体は、薄型テレビとの組み合わせに最適。スタイリッシュなリビング空間の演出にも活躍するだろう。フロントサラウンドシステムは、薄型テレビ時代の必携アイテムと言っても大げさではない。

では、これからフロントサラウンドシステムを購入する際、何を基準に製品を選択すれば良いのだろう。デザインや拡張性などいくつかポイントは挙げられるが、やはり基本性能である「音質」「音場再現の精度」を無視することはできない。今後、ハイビジョン映像を見る機会はますます増えていくだろうが、音が映像のクオリティに負けているようではバランスを欠く。映像の進化に合わせて、サラウンドシステムもさらなる高音質化が必要になってくる。

音にこだわったマランツのフロントサラウンド“CINEMARIUM”

前置きが長くなったが、その“音”にこだわり抜いたフロントサラウンドシステムとして、6月1日に発売されたのが、マランツの“CINEMARIUM”(シネマリウム)だ(関連ニュース)。

CINEMARIUMの設置例

フロントサラウンドシステム「ES7001」

CINEMARIUMには、中核となるフロントサラウンドシステム「ES7001」のほか、対応AVラック「RM7001」、対応サブウーファー「SW7001」、専用壁取り付けキット「MT7001」などが用意されている。

ES7001の中核技術は、英国サウサンプトン大学と鹿島建設株式会社が開発した立体音響再生技術「OPSODIS」だ。マランツでは既に2005年に、同技術を採用した「ES-150」を発売しているが、その高い音場再現能力には誰もが驚いた。技術の詳細を説明すると長くなるので省くが、画期的な発想により、クリアな音を保ったまま、並はずれた音場表現を可能にするものだ。このOPSODIS技術を、コンパクトな筐体に凝縮したのがES7001ということになる。サラウンド再生の能力は折り紙付きと言えるだろう。

また音質については、マランツがこだわり抜いて開発したと説明するだけで、その高いクオリティを推し量ることができるはず。計6基それぞれのユニットに専用のデジタルアンプを搭載したほか、各スピーカー専用にデジタルアンプを採用することでスピーカー間の相互干渉を低減するなどの工夫を施している。さらに、筐体にはアルミニウムを採用し、共振を防ぐなどのノウハウも詰め込んでいる。

別売りのサブウーファー「SW7001」も用意されているが、基本的にはES7001だけで十分な低音再生が行えるよう設計されている。つまりSW7001は、プアーな低音を化粧でごまかすためのものではなく、十分な低音を、50Wの出力によって、さらに増強するためのものとして機能する。

対応ラック「RM7001」のクオリティの高さにも触れなくてはならない。専用ラックだけに、ES7001とのデザイン的なマッチングは完璧に図られており、側板のピアノフィニッシュ仕上げの艶やかさに目を奪われる。加えて、天板前面部のアルミプレートは、補強という役割とは別に、デザインの重要なアクセントとしても機能している。

サブウーファー「SW7001」もオプションで用意

ES7001対応AVラック「RM7001」

RM7001を使用する際は、上段にES7001を設置し、下段にプレーヤーなどのコンポーネントを置くことになる。下段には、サブウーファー「SW7001」を置いても、両脇にフルサイズのコンポ2台を設置できる広大なスペースが用意されている。オーディオメーカーの同社らしいこだわりと言えるだろう。

詳細なテストレポートを近日掲載予定


試聴を行う大橋氏(左)と高橋氏(右)
さて先日、このCINEMARIUMを、同社の恵比寿ショールームでじっくりと試聴する機会を得た。CINEMARIUMはフロントサラウンドシステムとしては後発の部類に属するが、開発担当者の「だからこそ既存の製品には負けたくなかった」という音へのこだわりは、見事に実を結んでいると感じた。音の後方への回り込みは非常に高いレベルであり、また特筆すべきは高さ方向の表現能力が極めてハイクオリティであることだ。CDなど2チャンネルソースの試聴では、その基本的な音質の高さを確認することができた。

なお当サイトでは、大橋伸太郎氏、高橋敦氏による詳細な試聴レポートを今月下旬に掲載する予定だ。OPSODISについての詳しい解説も行う予定なので、ぜひ楽しみにお待ち頂きたい。

現在、多くのメーカーから多種多様なフロントサラウンドシステムが発売されているが、音の専門メーカーであるマランツが満を持して送り出したCINEMARIUMは、その基本性能の高さや充実した機能から、候補の最有力として覚えておきたい製品だ。

(Phile-web編集部)

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