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編集部がホンネで語る、ワンセグ搭載DAP「gigabeat V30T」の実力

公開日 2006/07/28 19:03
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ワンセグ受信機能を備えたポータブルプレーヤー“gigabeat V30T”「MEV30T」(関連ニュース)が7月15日に発売され、店頭やネットなどでかなりの話題を集めている。編集部でもさっそく本機を試用してみた。今回は編集部2名がホンネで本機の実力に迫ってみたい。

■サイズはやや大きいが細部の仕上げのクオリティが高い

編集部“K”(以下K): 木村カエラとワンセグで話題の“gigabeat V30T”を使ってみたわけだけど、どう思った?

編集部“い”(以下い): 最初に見たときは、結構デカいな、という印象を受けました。外形寸法は124W×75H×19.5Dmmで、ちょっとしたPDAくらいの大きさですよね。画面サイズが3.5型と大きいし、ワンセグチューナーや30GB HDDを搭載しているから当然かもしれませんが。

“gigabeat V30T”

厚みのある部分がちょうどグリップになる

アンテナは本体左側に収納している。もちろん方向は自由に変えられる

K: でも、厚みのある部分がグリップとして使えたり、側面を白くして厚みを感じさせないようにしたりと色々工夫しているから、使っている時の圧迫感はあまり感じなかった。

い: 側面の白い部分も光沢塗装が施されていて、かなり質感にはこだわってますよね。毎日使うものだから、細部の仕上げのクオリティが高いのは歓迎したいところです。

■Windows OSの操作性は非常に高い

K: まず、くわしい試用レポートの前に紹介したいのは、本機はOSにマイクロソフトの「Windows Mobile software for Portable Media Center」を採用し、PC用のMedia Center Editionと同じ感覚で操作ができること。このGUIがすごく良くできている。

い: このOSは「gigabeat S30」から採用されたもので、スタートボタンを押すとメニューが表示されるなど、Windowsユーザーには非常にわかりやすいインターフェースになっています。スタートメニューから、たとえば「マイミュージック」に入ると、ポイントスティックの左右で「アルバム」「アーティスト」「曲」など表示ルールを切り替えられて、瞬時に曲名リスト表示が切り替わります。しかも、大量のデータがある場合でも高速で動作し、スクロールも快適です。

マイミュージックの表示画面。アルバム単位での表示例

曲単位での表示例。大量の楽曲があっても高速でスクロールする

カーソル操作は写真上部のポイントスティックで行う

工夫を感じるのは、リストをスクロールする際、背景にリストの頭文字が表示される点。「Gまで来たからスクロールスピードを落とそう」といった具合に、大まかな目安をつけられます。このほか、動画再生や写真再生などでも直感的に操作を行うことができ、全般的に、iPodのGUIに匹敵する使いやすさとレスポンススピードを実現していると感じました。

■ワンセグ視聴時にできること、できないこと

K: じゃあ、一番の注目ポイントであるワンセグ機能をくわしく見ていこう。

い: 本機は、ワンセグの視聴はもちろん、大容量HDDを搭載したことを活かして、ワンセグの録画も可能です。録画できるのは最大約130時間、100番組。24時間先までの番組の予約録画も行えます。

K: ワンセグの視聴には、スタートボタンから「ワンセグ」を選び、ワンセグメニューを起ち上げる。メニューには「TV視聴」「録画番組再生」「ワンセグ設定」の3つがあって、「ワンセグ設定」は、設定の初期化と録画番組の削除しか行えない。

ワンセグメニュー

チャンネル情報は3つまでプリセット可能

い: ワンセグのチャンネル設定は3つの設定をプリセット登録できます。自宅と外出先、出張先など、複数の地域で本機を使う場合にも、チャンネル設定が1回で済むので便利ですね。

K: ワンセグ受信時は、十字キーの上下、または本体上部の早送り/巻き戻しボタンでチャンネル変更が可能。また、十字キーの左右を押すと、選局中のチャンネルの数時間先までの番組タイトルや、現在視聴している番組の解説を表示できる。

番組表が現在選局中のチャンネルに限られるのは少し残念。デジタルテレビと同じように、一覧で表示できれば便利だと思う。解像度がQVGAなので、あまり多くの情報を表示できないということかもしれないけど。

い: ワンセグ試聴時には、「QUICK」ボタンを押すと、「録画開始」「予約録画」「音多切換」「音声切換」「番組表示」「字幕設定」の各項目を素早く設定できます。

K: 録画開始が素早く行えるのは嬉しい。だけど、せっかくならダイレクト選局機能も入れてもらいたかった。選局をダイレクトに行うためには、「戻る」ボタンでチャンネル一覧に戻り、選択し直す必要がある。

■予約録画機能はあまりにシンプル

い: 録画機能についても見てみましょう。録画機能は、前述の「QUICK」ボタンから操作できます。いま見ている番組を直接録画する機能はまあ良いとして、問題は予約録画ですよね。

クイックメニュー画面

録画番組のリスト表示画面

K: 予約録画は非常にシンプル。日付、開始時間、終了時間を指定するだけ。ただし、チャンネルはその時受信している局に限定され、しかも録画予約を行ってしまうと、ほかの操作を受け付けなくなってしまう。電源も落とせないという徹底ぶりだ。

い: これでは、数時間後に始まる番組を予約することは、ほとんど不可能です。基本的に、もうすぐ始まる番組を最初から録画したい、という用途でしか使えません。

K: 家庭用レコーダーみたいに、予約録画しておくと電源OFFから自動的に起動し、チャンネルを切り替えて…ということができれば便利なんだけどね。ソフト開発の手間も半端じゃないだろうし、そもそも待機させておくには電力が必要だから、難しいだろうとは思うけど。せっかく録画予約機能を搭載したからには、ACアダプター装着時限定でもいいから、そこまで踏み込んで欲しかった。

■画質、バッテリー持続時間は良好

い: だけど、ワンセグ受信時の画質はかなりいいですよ。ワンセグ放送の解像度は320×240ドット(4対3)、320×180ドット(16対9)のどちらかですが、本機の画面解像度が320×240なので、画素変換による劣化が少ないことも寄与していると思います。

K: 発色がかなり鮮やかだし、画面の輝度も申し分ない。画質調整機能は内蔵していないけど、これができればさらに良かった。

い: 本機にはビデオ出力機能があって、テレビでワンセグなどを表示することができます。ビデオ出力端子も同梱していて、買った後すぐに使うことができます。テレビ出力時の画質は、さすがに高いとは言えませんが、内容を確認するくらいなら十分です。

K: 電池容量が大きいDAPの利点を活かして、ワンセグの長時間視聴が可能なのも嬉しい。メーカー公称値では約7時間の連続視聴が行える。

い: 携帯電話などでは2〜3時間程度のものが多いですから、2倍以上の連続視聴が可能ということですね。たとえば片道2時間通勤にかけている人が、行き帰りフルに使ってもまだまだ余裕があるわけですから、バッテリー持続時間についてはほとんど不満を感じることはないでしょう。

■ワンセグ機能に魅力を感じるなら絶好の製品

K: このほかに音楽再生機能や写真・動画撮影機能なども搭載しているけど、機能はほかのDAPとあまり変わらない。本機の魅力は、やはり秀逸な操作性と、ワンセグ受信機能にあると言える。

い: ワンセグについては、録画機能こそやや物足りないものの、基本的な受信機能に不足はありません。DAPの購入を検討していて、ワンセグにも興味があるという方には絶好の選択肢になるのでは。

K: ワンセグ搭載のファーストモデルでここまでの完成度を実現したことは高く評価できる。だけど、全体的な完成度が高いからこそ、手薄な部分がやや物足りなく感じてしまうのも事実。次のモデルでは予約録画やEPGの充実など、今ある機能をさらに進化させ、さらに我々を驚かせて欲しい。

(Phile-web編集部)

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