集部の“Wooo”「PJ-TX200J」集中レポート(3)長期試用で明らかになった本機の実力
騒音ピーク値を低減させて聴感上のノイズ音量を大幅に下げた
まず、本機を設置した際の静音性などについて。自宅でプロジェクターを使用する際は、静音性は非常に大きなポイントになる。「PJ-TX200J」では、新開発「3相シロッコファン」の採用と、ファン制御の最適化により、可聴領域における騒音のピーク値を低減した。これは、従来ファンと新開発ファンの周波数を示したグラフを見ると一目瞭然だ。従来ファンにはいくつものピークが存在するのに比べ、新開発ファンではグラフの曲線がなだらかになっている。人間の耳はピークに敏感に反応するため、聴感上は静音モード時で25dB、標準モード時で28dBという数値以上の静粛性が実感できた。
排熱や光漏れなどについても対策が盛り込まれている。排気はフロントのレンズ脇と側面部から行うので、プロジェクターを床置きにした場合でも、排熱をまともに浴びることはない。光漏れも、背面には一切穴が存在せず、漏れはかなり抑え込まれている印象だ。
HDMIやホームオートメーション用端子などを装備
拡張性については、デジタルインターフェースの標準的な存在になりつつあるHDMI端子を装備。アナログ映像端子はRCA色差とSビデオ、ビデオ端子を装備する。グローバルで同一仕様にするためか、D端子は装備していないので、D端子搭載機器と接続するには、D端子-RCA色差ケーブルを用意する必要がある。
様々な機器を連携して操作するホームオートメーションにも対応している。コントロールで標準的に用いられるRS-232C端子はもちろん、12V/25mAトリガー端子を装備。ホームオートメーションや、電動スクリーンなどの対応機器と接続すれば、電源ONと同時に制御信号が出力される。
精悍で存在感たっぷりのデザイン
かつての3管式などと比べればコンパクトになったとは言え、やはりプロジェクターを部屋の中に入れると、かなりのインパクトがある。それゆえ、デザインが美しいかどうかは、機器を選択する際の重要なポイントになる。
プロジェクターのデザインの方向性は大きく分けて2通りある。まわりのインテリアと調和するよう、意図的に存在感を薄める方向性と、プロジェクターそれ自体の存在を主張し、機器の美しさを前面に押し出す方向性だ。
前者は本体カラーにホワイトを使用することが多く、柔らかなフォルムで女性層にもアピールする。このため、エントリークラスに比較的このパターンの製品が多い。
「PJ-TX200J」の場合は、明らかに後者に属する。まず、ライバル機と比べても圧倒的に大きいレンズが、かなり強い印象を与える。画質を高めるために口径を大きくしたのだろうが、これが結果的に本機のデザインの最大のアクセントになっている。本体カラーはミッドナイトチタンとブラックのツートーンで、メタリックな印象が本機に高級感を与えている。また、このカラーリングは、本機の特徴である映像の黒締まりも表現しているのではないかと想像する。これらの特徴により、本機の印象はプレミアム感と精悍さが高い次元で融合したものとなった。
以上、3回に渡ってプロジェクター「PJ-TX200J」の魅力を探ってきた。第1回にも記したが、ライバル機がひしめく720p系液晶プロジェクター分野でも、本機の画質や機能は非常に高い次元に達している。このクラスのプロジェクターをお探しなら、本機を有力候補に選んで間違いはないだろう。
(Phile-web編集部)
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第1回:プロフィール&画質インプレッション
第2回:じっくり黒を引き出せる高度な画質調整機能