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富士通テン槌本社長インタビュー最終回 音を体験できる場をもっと増やしていきたい

公開日 2001/05/06 10:35
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●まったく新しい発想の“卵形スピーカー”ECLIPSE TDシリーズを発売して話題の富士通テン(株)。同社の代表取締役社長・槌本隆光氏のインタビュー最終回をお届けしよう。インタビュアーは小社常務取締役の佐々木純子である。

―― 販売面ではネットオーダーシステムという新しいシステムを導入していますね。
槌本 これも若い社員たちが考えた販売システムなのですが、元々ホームオーディオには販売チャネルがなかったものですから、「販売チャネルを持たない強みとはなにか」というところからスタートしました。
最初はネット販売だけを考えていたのですが、ブランド力などの認知度も低く、またオーディオ機器ですので購入される前にはまず聴いてみたいですよね。そこで販売店様にお取扱いいただくことを考えたのです。
しかし、オーディオ市場を調査してみますと乱売合戦となっており、聴けるお店で聴いた後に、一番安いところで買うというお客様の流れもあります。これではお店は単なるショールームと同じになってしまいますので、なんとか双方で利益の取れるシステムを作りたいと考え、今回の販売形態を考え出したわけです。
この販売方法を富士通の秋草社長に報告したところ「ビジネスモデル特許は申請したのか」と尋ねられたりもしましたよ。もちろん申請していましたが、販売の効率化、ローコスト化を図るためにバーチャルとリアルを融合をさせていきたかったんです。
―― 今回のモデルではまず2chでのアプローチが先行しているようですが、ホームシアターにも適していますね。
槌本 そうですね。512は2chの再生ということで開発してきましたが、サラウンドの再生でも実力を発揮できます。また、508PAは2chのデスクトップを中心に考えたものですが、素性が良いのでもっと幅広く使えると思います。
私個人の見解としては、音楽の再生よりも映画など音楽以外の「音」を再生する方が向いているのではないかと考えていますので、幅の広い市場展開を期待しています。
―― 今後のラインナップはいかがですか。
槌本 私は十分だと思いますが理論値としては低音部分が少し足りないので、口径の大きなものもアイデアとしてはあるのですが、タイムドメインの理論に忠実に作るとすれば、スピーカーは小さい方が良い。難しいところですが、試行錯誤しながらチャレンジしている最中です。
―― 様々な流れのなかで結実した新規事業ですから、大切に販売していきたいですよね。
槌本 そうですね。若い社員たちが真剣になって取り組んできた製品ですので、なんとか成功させてあげたいと思っています。とにかく音にこだわった製品ですから、まずは試聴する機会を増やしていきたいですね。そのためには一店舗でも多くのご販売店様でお取り扱いいただき、ひとりでも多くのお客様に体験していただきたいと思います。そして、お客様に聴いていただく際には、良い試聴環境を作っていただいて、ECLIPSE TD独特の音を体験できるようにしていただきたいと思います。
-終-
(Senka21編集部)

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