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ツアーを通してみんなで作り上げていくアルバム

ORANGE RANGEのキーマンNAOTOさんに聞く、最新作『ELEVEN PIECE』のこだわり

公開日 2018/09/03 12:13 季刊Net Audio編集部
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ーー ミックスもご自身でやられるんですね?

NAOTO 僕らの音楽の作り方はちょっと特殊で、ミックスというミックスをしないんです。作曲もアレンジも録音も、その後の微調整とか、全部一緒にやっちゃうんです。今回3曲だけ他のエンジニアに任せたので、そちらはまた別のやり方があると思うんですが、それ以外は、すごくシームレスに作業をしています。

ーー 現場でどんどん音楽が生まれて来る感じなんですね。夜中にパッと閃いてそこから作り始める、なんてことはあるんですか?

NAOTO まったくないです。僕らは本当に、10時から始まって、17時には終わる。土日も絶対やらない。僕の性格的なものもあるんですけど、深夜までやっても、だいたいろくなことにならない(笑)。17時までやったら、あとはもう晩御飯の時間です(笑)。

ーー めちゃくちゃ規則正しい生活(笑)。今作は48kHz/24bitの「ハイレゾ」でもリリースされていますが、そもそもレコーディングのフォーマットはどういう形でやっているのですか?

NAOTO 録音はProtoolsを使って、48kHzの32bit floatです。これまでにも色々試して来たのですが、いまはこの形に落ち着きました。96kHzでの録音もやったんですけど、特に打ち込み系の音源などでは、ガッとまとまったパンチ感という意味でも、48kHzとか44.1kHzが良いな、と思うんです。生バンドだと96kHzがいいと思ってるんですが、打ち込み系だと、96kHzでは音像は綺麗に広がるんですけど、キックとかが弱くなっちゃう。48kHzだとどっちもいけるな、という感じですね。32bit floatは、24bitよりも歪まないし、レベルもダイナミクスもつけやすい。しっくり来るものを探していたらこのフォーマットに落ち着いた感じです。

ーー 他にこだわりの機材などありますか?

NAOTO シンセサイザーとかリズムマシーンはハードのものを使っています。これはこだわりというより慣れですね。高校の時から使っているので、慣れているものが一番話が早いです。ローランドのTR-808とか、プロフェット、ムーグなどを使っています。当時は安くて9万円とかで。ガシガシやっても壊れない(笑)。いま50万円くらいするらしいときいて、それからは丁寧に扱うようにしています。

ーー スピーカーは何を使っているのですか?

NAOTO ムジークのRL906です。これも12年くらい使っています。一回ユニットを飛ばしちゃって修理したんですが、ずっと使っています。最初はぶっちゃけ違いが分からなくて、沖縄のエンジニアさんに「これがいいよ」って言われたから、音聴いて、これでいい、って決めちゃったんです、でもそれが良かったんですよね。そのあと興味も出てきて、いろいろ買ってはみたんですけど、結局ムジークに戻って来ちゃいました。


◆ハイレゾでは制作の意図がよりよく見えてくる


ライヴ「今夜もSTAY UCHINANTUNE」一番右がNAOTOさん(photo by 平野タカシ)
ーー 今回のインタビューではビクターのスタジオをお借りしておりまして、CDとハイレゾの聴き比べもしたいと思います。

♪11曲目「Girl/Boy Song feat.ソイソース」試聴♪

NAOTO ハイレゾの方が高域が上まで伸びているし空間もあるし、前後感もある。制作の意図というか、例えばキックが一番下にあって、その上にベースがあって、という意図がよく見えますね。リヴァーヴもちゃんと最後まで聴こえる。CDはキュッとなってる感じですが、低音のまとまりがあるからCDも面白いな、って思いますね。パワーもありますし。

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