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両社のキーマンに詳細を聞く

機能性とデザインを兼備。オンキヨー/USMのコラボで実現したオーディオラック

公開日 2016/10/26 10:00 編集部:小澤貴信
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アコースティックシートの存在は、外見からはほとんどわからない。実はこのシートを組み込んだパネルおよびドアパーツは、オフィス向けに、会話を聞き取りやすくする目的でこのモジュラーファニチャーにラインナップされているもの。これがオーディオ再生においても効果を発揮することがわかったため、このラックに導入したのだという。

写真の通り、一見するとオーディオ用ラックには見えない。しかし、剛性、使い勝手、さらには音響特性にいたるまでが考慮されているのだ。そして、USMモジュラーファニチャーならではの高いデザイン性は、リビングでは浮いてしまいがち重厚なオーディオ機器を、周囲のインテリアにしっかりと馴染ませてくれている。

その歴史が裏打ちする、高い耐久性と機能性

そもそもUSMモジュラーファニチャーとは、どのような家具ブランドなのだろうか。1885年にスイスのミュンジンゲンに誕生したUSMは、そもそも鉄を用いた各種パーツを製造する鉄工場だった。1920年代にはそのビジネスを窓枠や錠前にまで広げ、企業規模を大きくしていったという。

USMモジュラーファニチャーの収納家具

同社がUSMハラーを手がけるようになったのは、3代目の経営者であるポール・シェアラーの代だ。ポール・シェアラーは自社工場の設計を、建築家/デザイナーであるフリッツ・ハラーに依頼。ハラーが鉄骨モジュールを使った建築システムを考案し、オフィス兼工場の建設に使用されることとなった。

この方法で同社のオフィス兼工場が建設されたのだが、その中で使う家具も同様のコンセプトのものがいい。それならば、家具も自分たちの手で開発しようとポール・シェアラーは考え、そしてUSMモジュラーファニチャーが生まれるに至った。意匠はやはりハラーが手がけ、技術面の設計はシェアラーが担当して特許も取得した。1965年のことだ。

ライフスタイルに合わせて様々な構成やカラーを選択することができる

このモジュラーファニチャーは、そもそも自分たちのオフィスのために作られた家具であり販売することは念頭に置いてなかったというが、その高い機能性とデザインは口コミで評判になり、製品化されることになった。

世界中に認知されるにいたったUSMモジュラーファニチャーは、現在もスイスに拠点を置いている。そのミニマムなデザインと機能性の追求には、バウハウスの影響も見て取ることができる。

オーディオとの親和性も高い機能性や耐久性

まず「何を収納したいか」がありき。それに合わせてユーザーが思いのままに形を作れるところに、USMモジュラーファニチャーのコンセプトはあると中村さんは語る。同社が創立51年目からのキャッチコピーとしている「MAKE IT YOURS」がまさにそれを示している。

また「機能とデザインはイコールである」という思想の元で、一貫して機能美を追求してきたという。こうした発想には、オーディオと親和性の高さを感じる。

USMモジュラーファニチャーの全製品は、前述の通り、金属製ポール(チューブ)と同じく金属の連結器具(ボール)、各段を仕切る棚板/側板(パネル)という3要素で構成されている。これらパーツを選択して、用途や目的にあったシェルフやラックを構築することができる。オフィス家具として開発されたこともあり、機能性と拡張性、そして耐久性を特色としている。

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