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デジタル+アナログハイブリッド構成

<IFA>“ES”のこだわり満載。ソニーの据置ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」開発者インタビュー

公開日 2016/09/03 17:24 ファイル・ウェブ編集部
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ソニーがIFAで披露したヘッドホン関連製品群のなかで、今回新たに投入するカテゴリーの商品が、据え置き型ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」だ(関連ニュース)。欧州での販売価格は2,099ユーロ前後を予定している。

ソニー「TA-ZH1ES」

IFAのソニーブースで本機の説明にあたっていた、ソニービデオ&サウンドプロダクツ(株)V&S商品設計部門 ホーム商品設計部 HA設計5課 エレクトリカルマネージャーの塩原秀明氏に、本機の開発背景やさらなる詳細を聞いた。

ソニービデオ&サウンドプロダクツ(株)V&S商品設計部門 ホーム商品設計部 HA設計5課 エレクトリカルマネージャーの塩原秀明氏

塩原氏は「ヘッドホン、特にMDR-Z7を購入された方のうち55%もの方が、追加のバランス接続ヘッドホンを購入されていて、ポータブルアンプのPHA3でも、バランス接続対応が購入のポイントとなっています」と、ユーザーの使用状況を説明。

「またハイエンドのヘッドホンは自宅で使われる方が多いため、ソニーとしても、据え置きでバランス接続のヘッドホンの実力を出し切るモデルが求められていました」と開発の背景を語る。

「TA-ZH1ES」という、”ES”が型番に付いているモデルとなれば、ソニーのハイエンドオーディオの流れを組むモデル。本機も”ES”シリーズのエンジニアである稲山氏、佐藤氏などが開発に携わっている。

上部にはディスプレイや操作部を装備

デジタルアンプ「S-Master HX」にアナログアンプを組み合わせた構成

「TA-ZH1ES」の技術的な特徴は、「D.A Hybrid Amplifier Circuit」と呼ばれる、デジタルとアナログのアンプを併せ持つ、新開発のハイブリッドアンプだ。

「D.A Hybrid Amplifier Circuit」の開発に至った背景を聞いてみると、塩原氏は「これまではフルデジタルアンプというくくりのなかで音を良くすることを考えてきたので、補助的にアナログアンプを用いて信号差分を検出する回路にしたことは、従来の設計にはなかった発想だった」という。ソニーのオーディオでも前例のないユニークな発想だったようだ。

本機の内部構造

ソニーのフルデジタルアンプ「S-masterHX」は高性能なデジタルアンプだが、出力を上げると、わずかだが矩形波がなまる。このなまりをアナログアンプで補正するというのが、D.A Hybrid Amplifier Circuitのざっくりとした考え方だ。この工夫によって、S-Masterの正確性と、アナログアンプが優位と言われる高出力を両立できるというわけだ。

増幅はデジタルアンプで行いながら、増幅前の信号をアナログアンプへ同様に入力する。誤差訂正信号を生成した上で、デジタルアンプで増幅した音にフィードフォワード処理を行い、最終的にヘッドホンに入力する。この構成により、ピュアで純度の高い音声信号を得られる仕組みだ。

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