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内蔵SPでハイレゾ再生

初の “ハイレゾ対応PC” に込めたこだわりとは? 富士通FMV開発陣に聞く

公開日 2015/05/25 10:59 コヤマタカヒロ
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「トゥイーターを付けただけではなく、雑音が消える仕組みにもこだわってハイレゾ対応を実現しています。従来は、スピーカーの前面はデザインを重視して、モールドや塩ビのシールを配置してました。しかし、それだと開口率がとれなかったり、そこ自体が振動してしまうなど、好ましくない。そこで今回は金属のメッシュを採用しています」。


スピーカーユニット内部の吸音材も材質の配合を試行錯誤したという
「また、スタンド部分はデザイン上モールドで覆われていますが、振動しないように芯にダイキャストを入れてがっちりと抑えています。また、裏側カバーも、一枚で成型すると振動して、音に影響が出るんです」。

「今回はハイレゾ対応ということで、細かな余韻の部分などを重視したいたと考え、ダンパーのようなモノを貼ることで、振動をコントロールして、音質をチューニングしています」(村松氏)。

これらのひとつひとつの取り組みを行っているのが、PCの筐体設計などをハードウエア全体を監修している木地正道氏だ。AV機器のように音だけにこだわることができたらもっと簡単だが、あくまでPCであるため、多くの制約があったと語る。


富士通 木地氏
「『ESPRIMO FH77/UD』では筐体を刷新するに当たってハイレゾをやっていきたいと思っていましたが、そうはいってもあくまで一体型PCですから、本体を大きくもできません。あくまで省スペースである中でやらないといけない。また、USBインターフェイスやSDスロットを前面に配置して使いやすくした点も今回のモデルの特徴なのですが、『そのスペースをスピーカーに貰えたらもっといい音を作れるのに…』という思いもありましたね。せめぎ合いのなかで、パイオニアのエンジニアさんと一緒にこの形に落とし込んでいきました」(木地氏)。


前面にUSB端子なども装備。使い勝手が高まる反面、当然ながらスピーカーのためのスペースが削られる。こうした制約を受けながらもハイレゾ再生対応を実現させた

こうしてハイレゾ対応スピーカーの搭載を実現した富士通の『ESPRIMO FH77/UD』。ソフト面では、現状はWindows Media Playerによるハイレゾ再生対応のため、再生できるのはWAV形式のハイレゾファイルのみとなっている。しかし、別途プレイヤーソフトを追加することでFLAC形式などの再生にも対応できる。また、この夏以降にアップグレード可能となるWindows 10では、Windows Media PlayerでもFLACファイルの再生ができるようなるようだ。

『ESPRIMO FH77/UD』は、スピーカーなどを別途購入することなく、ハイレゾ音源がすぐに楽しめるデスクトップPCだ。すでに高音質スピーカーやDACなどを使ってハイレゾ音源を楽しんでいる方には物足りない部分があるかもしれないが、こういった製品の登場により、ハイレゾを楽しむ方の裾野は大きく広がっていく。ハイレゾに興味を持っているが、PCに強くない方などにもおすすめしやすいモデルといえそうだ。

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