HOME > インタビュー > 【特別インタビュー】DTS本国の担当者に訊くサラウンドの未来 − カギを握るのは放送とゲーム

DTSデモディスクの進捗も言及

【特別インタビュー】DTS本国の担当者に訊くサラウンドの未来 − カギを握るのは放送とゲーム

公開日 2009/04/14 12:02 Phile-web編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■7.1chサラウンド普及のカギを握るのは「ゲーム」 − 7.1chの今後の展望を訊く

− 日本では気軽に部屋に設置できるフロントサラウンドが人気で、一般家庭への7.1chの普及にはまだまだ時間がかかりそうです。DTS Surround Sensationのような技術も保有している御社ですが、やはり最重要課題は7.1chサラウンドの普及になるのでしょうか。

Galardi氏:私たちは2chから5.1ch、7.1chまで多様なサラウンド技術を持っており、多様なユーザーに最適なサラウンドを提供するのが使命です。ただその中でもやはり7.1chが音質的には最も優れており、7.1chで聴いていただくのが理想ですね。

− 7.1chの今後の展望はいかがでしょうか。

Galardi氏:7.1chの優位性を考えたとき、5.1chより7.1chのほうがより高品位な試聴方法であること、さらに7.1chはスピーカーの数が多いため複雑なレイアウトの部屋に住んでいても部屋の環境に左右されず、正確な音場を獲得できるという点があります。このような利点を訴求し、ユーザーを増やしていきたいと考えています。またワイヤレス技術の発達で5.1chから7.1chのスピーカー増設が簡単に行えるようになってきていることもあり、今後7.1chがメジャーになってくるだろうと予測しています。

− Skaaden氏は7.1chの現状をどうお考えですか。

Skaaden氏:サラウンドを視聴するユーザーには性能追求型、利便性追求型の2種類がおり、性能を求めるユーザーは7.1chを選択するでしょう。一方で利便性を求めるユーザーへの我々のアピールとして、Neural Audioの強みである放送用技術を活かしDTS Neural Surroundのアメフト番組の試験放送を実施しました。これを家庭内で、5.1chもしくは7.1chで再生することで、より一般の人に親しんでもらう機会をつくることが重要だと思っています。その意味ではコンテンツは非常に重要な位置づけとなり、ゲームもその一つです。

− ゲームについて具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

Skaaden氏:Neural Audioはゲームソフトの5.1chソースを7.1chへリアルタイムに変換しエンコードする技術を持っています。本技術の開発には4年の歳月を費やしたのですが、今年6月にこのフォーマットを収録した7.1ch対応のXbox用ゲームソフトがリリースされることが決まりました。


取材中、Geir氏が我々に7.1ch対応Xbox用ゲームソフトのデモを披露してくれた
− それは大きなトピックですね。これまでリリースされているサラウンド対応ゲームソフトの反応はどのようなものでしたか。

Skaaden氏:ゲーム制作者からの反応はとても良いです。特にシューティングゲームやロールプレイングゲームではステレオよりサラウンド再生の方が迫力が増し、制作者側の意図が伝わりやすいということで評価されています。

− 一般のゲームユーザーにとっても、サラウンドでプレイすることはエキサイティングな体験だと思います。

Skaaden氏:これまでみなさんのサラウンド初体験といえば映画館だったと思いますが、これからはそのサラウンドへの入口が家庭用ゲームに代わってきます。高品位なサラウンド技術をゲームソフトに提供することで、ゲームを通してサラウンドをより身近なものとして普段の生活に受け入れてもらえるよう努めていきたいと考えています。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: