原田慎也氏

訴求力のある強いモデルで全国に体感の場を拡大
接点を広げて新規顧客にも積極アピールする
株式会社ディーアンドエムホールディングス
国内営業本部 本部長
原田慎也 氏

B&Wが5年ぶりに放つハイエンドの新シリーズ800Series Diamondが特別大賞を受賞した。次に控える待望される最上位機とともに、さらに年末へと市場を刺激する取り組みを加速させる。一層の需要喚起への意気込みを、原田本部長が語る。

革新≠ェ確信≠ヨ
最高のパフォーマンス

── B&Wの800Series Diamondが、特別大賞を受賞しました。

原田802D3を始めシリーズ全モデルが大変ご好評をいただいています。昨年秋の発表以来、これまで全国で開催されたご販売店様主催のイベントで常に注目していただき、皆様から高いご評価を頂戴しました。B&Wの800シリーズは1979年の初代モデル以来、年を追うごとに技術革新があり、今回は革命的と言われる出来映えです。皆様がお聴きになって実際に納得され、我々も革新が「確信」となった思いです。

各地のイベントで試聴ブースは常に満員ですが、我々は回数を重ねるよりもむしろ一回一回の質を高めることに重点を置いてきました。ブースのコンディションに不足があれば手当をするなど事前準備を怠りなくして、常にいい状態で聴いていただく。800Series Diamondはペアで360万円の802D3を筆頭に、ペアで92万円の805D3まで4モデル。それぞれにアンプやプレーヤーも相応しいものが求められ、その選択もディーラー様の個性となります。こうしたリファレンススピーカーの存在がトリガーとなり、市場を動かす要素は多分にありますし、お客様をお店にお迎えする導線になったかと思います。

── 各地の販売店イベントが盛り上がりを見せています。

原田ありがたいのはディーラー様が前向きに機会をつくってくださること。ご家族連れや若いカップルの方々が多数ご来場された会場もあって、非常に有意義な状況だと思います。B&Wのスピーカー、特に800Series Diamondなどは既存のオーディオファイルの皆様がメインターゲットですし、ハイエンドモデルの試聴会に来られるのはほとんど固定されたお客様。非常に大事なコアなお客様ですが、ただ今後を考えると新しいお客様へのアピールも必要です。

ここのところの嬉しい気づきは、従来のオーディオファイルの方々とは違う、30代?50代の年齢層の方々が800Series Diamondを聴く場面が増えていること。これまで聴いたことのない音に触れ感動されており、非常にいい啓蒙活動になっていると感じます。まず若い方々にも興味を持っていただくのは重要で、タッチポイントを増やし、価値観をご理解いただく機会を持つことは有効だと思っています。

原田慎也氏── 800Series Diamondは最上位モデルも待望されていますね。

原田グローバルではこの夏頃になるようですが、日本はでいよいよ秋口に出て参ります。今年はB&Wのブランド設立50周年であり、半世紀のアニバーサリーを飾るブランドの集大成モデルとなりますから、我々も非常に期待しています。

800Series Diamondに対しては現在展開している4モデルに加え、やはり最上位までの全貌を知りたいという思いがお客様は強いと思います。シリーズのすべてを見て聴いて、その上で本当に自分に相応しいものを決める。実売を後押しするためにも最上位の存在が重要で、ディーラー様からも大変期待されています。この秋以降年末商戦に向け、一気に攻勢をかけます。発表される最上位モデルはもちろん、4モデルの勢いもさらに加速させていき、シリーズのすべてにあらためて注力致します。

匠の知を伝承させ
営業スキルをさらに向上

── ご販売店に向けた取り組みは。

原田製品のパフォーマンスを最大限に引き出していただける環境をお持ちの全国のディーラー様としっかり手を組んで展開させていただく、それが大前提です。売るだけならネットで完結できますが、音を出す機器を売る以上、聴いていただくことは不可欠です。そして商品の方向性や価格帯によって、それぞれのパフォーマンスに相応しい場づくりがある。我々営業はそれらすべてを重視し、商品やお客様に合わせてそれぞれ向上させます。

こういう厳しい時代に活躍できるディーラー様は必ず強みを持っていて、大変な努力をされている。その強みに共感し、我々は一緒に仕事をさせていただくのです。かつてディスカウントがその強みになっていた時期がありましたが、そういう時代は終わりました。どこであってもしっかりと聴けるお店としか、我々は商売できません。

そしてB&Wのような奥行きを必要とする製品では、営業のスキルも不可欠です。今営業の質を上げるための社内教育をさかんに行っています。B&Wをよく知る人間が直に講義をし、ブランドの歴史やポリシーをしっかりと植え付ける。匠からの継承ですね。ハイパフォーマンスの製品をアピールするには、その価値観を誰もが同じく理解していなくてはなりません。

また昨今は全国の専門店様で二世の方々が活躍されていますが、こうした方々と同じ若い世代のお客様へのアプローチが、非常に期待されます。我々はデジタライゼーションシリーズでヘッドホンを楽しむ若いお客様層にピュアオーディオへの足がかりをご提供し、大きな手応えを感じています。

次世代のオーディオファイルに向けた伝承も必要ですし、また若い方にはヘッドホン、デジタライゼーションと決めつけるのではなく、ハイパフォーマンスのシステムを聴いていただく活動をしっかりと行っていかなくてはと思います。専門店の若い方々ともアイデアを出し合って見せ方や聴かせ方を工夫し、いろいろな提案をしていきたいと思います。

◆PROFILE◆

原田慎也氏
1985年に日本コロムビア株式会社に入社。電機事業本部で営業として九州に配属、1993年に販売企画部に移りHIFIオーディオ、ゼネラルオーディオ(音聴箱)の商品企画に携わる。2011年デノン、マランツの販売部門統合後は東日本営業部を担当し、2014年6月より現職。

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