巻頭言

ちからをあわせる

和田光征
WADA KOHSEI

2014年は消費税8%時代へと移行し、4月以降は当然ながら一時的に個人消費は冷え込み、夏辺りまで要注意でしょう。しかし経済を押し上げる経済政策は積極的でしょうから、賃金、雇用、消費等の指標は上向きになり、消費者真理を和らげる効果があると思われます。とはいえ、消費税は暮らしのすべてに影響するので、実体経済は多少冷え込まざるを得ないでしょう。

1月〜3月までは駆け込み需要があり、4月、5月あたりはそのリアクションから厳しい状況になると思われます。しかし6月以降から解消傾向が出始め、夏商戦には元気が出るのではないかと思います。あくまでも私見ですが、読者の皆様の思いは如何でしょうか。続く秋商戦は久々の盛り上がりを見せ、2015年の正月に美酒を味わう企業も多いことと思います。

そして2015年4月に消費税10%時代を迎え、少子高齢化のさらなる進行と相まっての負の要素が多くなりますが、東京オリンピックへの期待も織り込まれて経済は上昇曲線を描くのではないでしょうか。つまり、消費税増税分の2%は容認され、むしろ10%になった安定感が大きくなると思います。経済の上昇曲線がそれを飲み込み実体経済を押し上げるならば、その後は安定期を迎えられるのではないかと思います。

私は、東京オリンピックが極めて重要な意味を持っていると思っています。東京でオリンピックがない前提での消費税10%であれば大変ですが、開催は決定していて、2015年から見れば5年後のこと。いろいろな意味で上昇要素となるのではないでしょうか。

私は2020年を見ています。すると2019年、2021年という陽数の中に陰数である2020年はあり、おそらくこの3年間はいろいろな意味で盛り上がっているのではないかと思います。

故に今、2014年を迎え、ここから2021年を展望した中・長期戦略が重要になってきます。おそらく2022年あたりは厳しい時代が待ち受けているのではないでしょうか。少子高齢化は負の極にあり、経済にも相当な影響を与えるように考えられます。世界の力関係も変貌している筈ですが、そうした予測ができる今、各々の企業がしっかりした体制をつくり、中・長期プランを立案しなければならないと思います。

体制としては現在の30代、40代が活躍できるシフトづくりが急務であり、上から目線の垂直型組織は通用しない時代に入るのではないでしょうか。今世代を代えなければ5年も過ぎると負の要素は拡大し、重い組織として沈下していくでしょう。従来の縦組織から権限を譲渡した新たな組織づくりが重要であり、そのことによって既得ではないキャリア層をも活かした存在となれば、生き生きとした体制が確立できるのではないかと確信します。

10年という歳月がアッというまに過ぎます。これからの10年は5、6年の感覚とスピードでやってきます。そうです。2014年は未来に向けた逞しい成長戦略を推し進める年であり、その為に業界は「力をあわせる」ことが重要であると思います。

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