巻頭言

この秋、アキバ燃ゆ

和田光征
WADA KOHSEI

オーディオ協会は1昨年校條亮治氏が会長に就任し改革に着手。この4月からは旧来の体質を一変させ、未来へ向かってしっかりと歩みはじめた。これはまた、旧い業界の姿から発展的に変質し前進していく業界の未来を暗示するものでもあり、将来語り継がれるであろうエポックメイキングな事である。

今回、かつてのオーディオフェア=A&Vフェスタが、長年の念願であった“世界の秋葉原”を舞台とする「オーディオ&ホームシアターフェアin AKIBA 2009(音展)」に発展的に改名され、11月13日、14日、15日の期間に開催されることとなった。

秋葉原は、ITタウンとしてここ数年急激に開発が進み、世界中から人々が集まる街となった。多くの交通機関が乗り入れてアクセスの利便性も抜群であり、一日あたりの乗降客は15万人、つくばエクスプレスの開業以来さらなる増加が続いている。

イベント会場も、UDXビル、富士ソフトビル、ダイビル、住友ビルなどの巨大なスペースが次々にでき、ここにきて完成領域に達してきたと言えよう。

昨年の秋、校條会長と富士ソフトビルから建設中の住友ビル方向へ歩いた。この間にUDXビル、ダイビルがありストリート名には、イベントを想起させるものがいいと頷き合ったのだった。

秋葉原はITタウンとして開発されてきたが、やはり、オーディオビジュアルのメッカとして成長してきたDNAが表に出てこそ、華やかで楽しい街になると私はずっと思っていた。これまではフェスタも開催場所がなかなかなく、横浜での開催を余儀なくされ苦労してきたが、秋葉原の環境も整い、晴れて「オーディオ&ホームシアターフェアin AKIBA」として開催されることとなり、念願叶った思いでいっぱいである。まさに、「ここからはじまる」である。

秋葉原電気街振興会の小野会長はじめ千代田区、東京都等にも尽力して頂き実現の運びとなった訳であるが、何はともあれ校條会長の超人的活躍なくしてはあり得なかったことであり、ここに改めて心から敬意を表し、音元出版もファイル・ウェブおよび全媒体や主催するイベント等々で全面的な応援、支援体制をとっていく決意である。

ここに出展を検討されている企業は、今までの協会体質や今までのフェスタを頭において云々するならば大変な間違いである。上述のような経緯ですべては変わっていく。CHANGEするのであり、10年後も確実に発展し続ける仕掛けなのである。

そして、買い場がそばにあり、それぞれの店が連動することによって、フェアはさらに厚みを増し、にぎやかになり、注目されることとなる。実販効果も強力である。そして、このフェアは全国への発信基地としての役割を果たすことにもなる。例えばスタンプラリーは、秋葉原会場はもとより、近隣の販売店やショールーム、博物館などにまで拡げることによって、首都圏全体を巻き込んだイベントへと発展するのである。

相変わらず消費性向は低調であるが、エコポイント制度の実施以来特需に沸いているのが実体であり、さらに対象商品ばかりではなくオーディオにも関心が集まってきた。景気の底打ち宣言もなされた。

今回のフェアおよびさまざまなイベントによって、この秋にはオーディオ市場を盛り上げ、ビジュアル市場の拡大を確信をもって図っていきたいと思う。

今から楽しみでならない。

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