巻頭言

ESSENCE YEAR 2008

和田光征
WADA KOHSEI

あけましておめでとうございます。今年のテーマを『本質回帰年=エッセンス・イヤー2008』と決め、「ESSENCE YEAR 2008」と表現して参ります。

ここまでのあらゆることを顧みて、原点から見直し本質へと立ち返ることが大切だとあらためて思っております。負を払い、また整理整頓・調整し、近未来へ向け新たに力強く歩みを始める。勝者は淡々と、うまくいかない時はむしろ堂々と。いずれにしましても、日本全体、世界全体が本質回帰をすべきところにきていることは、誰もが想像しておられるのではないでしょうか。  

私の単純な“人間大切”の思考方法は、宇宙→太陽→地球→自然→人間 であります。そして時間と、“種”の認識と、「存在すること」の認識があります。こうした流れで思索し、自分独自の思想を創りあげていき、その延長である目と心で人間を見ていきます。私なりの本質回帰とは、まさにこの思考へと立ち返り、人間社会を見るということです。

その思考の流れを述べてみたいと思います。

私は科学者ではありませんので、科学的に宇宙、太陽といっても仕方がありません。夜空を見上げると満天の星があります。少なくとも私たちの認識できる星は、その光が時間の中で私たちに到達したものです。そして認識できない無限の世界が、さらに宇宙となってひろがっています。

そして太陽。太陽とは何ぞや、という科学的な認識はさておき、朝陽が昇る、そこにまずもって感謝し有り難さを感じます。太陽は昇ってくるほどにすべてを照らします。その温かさ、素晴らしさは何事にも替えられません。太陽を認識するのは、純粋にそうしたことからです。

そして太陽の恵みを受け、まず自然があります。自然の豊かな営みによって生物が命をつないでいき、そこに人間がいるわけです。

人間は他の動物と違うことは言うまでもありません。故に人間が大切であります。今までの流れの中で、今度は人間に焦点をあてます。

人間という字はいかにして生まれたのかと考えてみます。人と人の間と書いて人間、つまり複数の人がそこに存在します。ということは、人という字は一人ではなく複数を表すのだと分かります。人は人間なのです。

人間を認識すると、次に男と女が認識できます。そこで男性の存在、女性の存在が理解できます。人間として、男女の平等が当然であることが認識できます。私は仕事上でも、男性女性と考えたことがありません。ほんとうに若い頃から男女は平等だと考えていました。そしてまた、男性の役割、女性の役割があると思っています。

こう考えることが自然になっていくと、歎異抄の「善人尚以て往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」も分かったという気分になります。隣の子供も自分の子供になっていき、ひいては世界人類が皆平等で愛に満ちていなければならないことが分かってきます

従って、己ばかり可愛い人間は、悪であると分かります。

「道とは何か。道は宇宙の根本的秩序、事物の自然な流れである。賢者であれば宇宙を動かす道の力を認め、道に自分を合わせ、道がすべての源であるという事実を忘れることがないのだ」(荘子)。

本質回帰が大切な2008年の幕開けです。

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