巻頭言

復活ハイコンポ!&専門商法

和田光征
WADA KOHSEI

ピュアオーディオルネッサンスを提言したのは昨年夏だった。今、まさにピュアオーディオモードになってきた。

同時に専門商法への要求も高まってきてピュアオーディオビジネスを展開する環境は、ひと頃に比べ様変わりしてきた。日常的家電品においてはメガ量販が圧倒的に強いが、ピュアオーディオや2WAYシアター等の専門商品は、サービスが不可避であり、まさに専門店の商材である。そうした商材は廉価販売するメガ量販を避けて、一部量販を含む専門商法店にのみ流通させる時代を迎えていると断言できよう。

最近、経済産業省が実施した消費性向調査によれば、「値段よりもデザインやサービスを買う」と答えた人が増加してきたと結論づけている。とりわけ、年収1200〜1600万円の高額所得者ではその傾向が強いとのこと。その中心商材が家電であると指摘しており、専門店時代が希求されている証しでもあろう。

一部メガ量販店ではメーカーが下請け的存在になり、製販ともに疲弊してしまっている。専門商材を扱うメーカーはそうした環境から逸脱することが利益を生み出す源泉になるわけで、第2の流通システムとしての専門商法店の構築が急がれるのである。といって、専門店商法が旧来の旧い体質や姿であればお客様は敬遠するかもしれない。やはり、質の高い店舗とクオリティの高いサービスを有していないと駄目である。幸いそうした専門店も次々と現れており、ピュアオーディオもシアターも動きはじめている。こうした流れを全国的な仕組みとした新流通システムを構築することを本誌は力強く推進していきたい。

ピュアオーディオではハイコンポを復活させたい。

私がハイコンポというジャンル名を付け新しいオーディオシステムを提案したのが1993年だった。

ミニコンが元気なうちに新しい商品を業界あげて創造しようと訴えたのがハイコンポである。一千億円市場の創出を訴えた。一般誌に「オーディオの救世主、ハイコンポ」の五段抜きの記事も掲載されたりで、ハイコンポは素早いタイミングで認知されていった。
 
・単コン以上のスーパークオリティ
・ハイデザイン
・簡単操作
・リーズナブルプライス

以上のコンセプトは今でも新しい。購入者が男性ばかりでなく、女性客が多かったこともハイコンポの新しさであった。

そして今、ハイコンポ商品が次々と姿を現わし始めた。往年のヒットメーカー、デノン、オンキヨーから力作が発表され、さらにソニーから満を持してのハイコンポ「システム501」が、「ピュアハートオーディオ」提案の先陣を切って3月10日に発売される。この商品の革命的な点は奥行寸法が25cmで、どうしてもハイデザインとしてネックであった奥行の長さを解決したところが何よりも新しさであり革命である。

同時に実際の家庭に積極的に持ち込んでの試聴を繰り返し、より生活シーンと一体化させるなどユーザー志向を徹底させていることも、この商品の強さであろう。これからの流れを創る商品として注目したいと同時に、専門商法で販売してほしい。

いよいよ、ハイコンポもピュアオーディオルネッサンスの戦列に加わり輝き始めてきた。

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