巻頭言



秋冬、カジュアルホームシアター燃ゆ
WADA KOHSEI

いよいよ年末商戦である。ポストアテネで懸念された薄型テレビやDVDレコーダーは相変わらず右肩上がりで絶好調であるが、その他のAV商品は急成長という訳にはいかず、苦戦を強いられているのが実態ではないだろうか。
そんな中でデジタルオーディオプレーヤーが急成長してきたことは朗報であるが、まだ、緒についたばかりであり、業界をしっかりと下支えするのには少し時間が必要であろう。
夏商戦ではエアコンや冷蔵庫が売れた。併せてアテネオリンピック関連商品も好調だったことから、年末商戦には販売店の蓄積された豊富な資金がAV機器を押し上げる好材料になると期待されている。ところがエアコンでの単価ダウンは予想以上で、資金面では逆に苦労している話を聞かされると愕然とするものがあるが、例年とは違う現象であることに変わりはない。やはり、夏商戦としては良かったのである。
さて、年末商戦である。相変わらず薄型テレビ、DVDレコーダー等デジタルAV機器は期待が持てる。数をどれだけこなすかが大きなテーマとなるだろうが、そのことは価格戦争をかつてないほどに引き起こす結果となり、単品売りだけの年末商戦は結局、疲労困憊の様相を呈してしまうのではないだろうか。
私は年末商戦の一方の主役として「カジュアルホームシアター」を挙げたい。
ようやく機が熟してきたと確信するのである。私は本誌でホームシアターの提案を10数年に亘って展開してきた。ホームシアターといってもカジュアル型やシアタールーム型等、その幅は広い訳だが、マーケット創造型として大いなる期待が持てるのはカジュアルホームシアターであり、そのことが上の層を押し上げ、拡げていくこととなるだろう。
この年末商戦は自然な形でその道筋をしっかりつけ、高付加価値販売を確立する好機である。何故にそのことを強調したいのかと言えば「フロントサラウンドシステム」が定着してきたからである。
私が「フロントサラウンドシステム」こそ起爆剤であり、ホームシアターブームへの実のある提案であると訴えるのは、漸くユーザーマインドのホームシアターシステムが誕生したと確信するからである。ユーザーにやさしいホームシアターとして、販売店も薦めやすいし、ユーザーも理解し易く、楽しめるのである。
ここで、その先陣を切って提案されたBOSE社に改めて敬意を表したい。
ここから、誰でも楽しめるホームシアターのコンセプトが明確になり、私が長年に亘って提案してきたホームシアターの世界が堰を切ったように、巨大なうねりとなって流れ始めたからである。
カジュアルホームシアターの主役はプラズマ、大型液晶テレビ、そしてカジュアルスクリーン+フロントサラウンドによる組合せであり、そしてそれはAVアンプやハイエンドシアターの新たなうねりでもある。この冬、カジュアルホームシアターはとんでもなく賑やかになり、主役を演じるのではないだろうか。

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