巻頭言

陽数2003・2005 / 和田光征 WADA KOHSEI

多くのトップの方とお会いする折に確認するのが「2003年の意義」です。2003年は単なる2003年ではない、それが異口同音に聞く言葉ですが、極論をいうならば2003年の動向が企業の未来を征するターニングポイントであるということです。

20世紀が終り、21世紀がスタートしました。2000〜2002年の3年間は新世紀を迎えたわけですが、20世紀の余韻のうちに推移したということです。20世紀から連続する価値を清算し、21世紀型の新しい価値へ移行する3年間であったと思います。勿論、3年の中で片付く訳ではありません。バブル崩壊こそ、そのスタートであり永々と続いた価値を根底からひっくり返したといえましょう。また、ITバブルなど、結局は実態のないものは滅び去るという確認も否応なしに行われたのではないでしょうか。

面白いなと思うのは、偶数は陰数であるのですが、2000そして2002は陰数から始まり陰数で終わる3年間でもあったということです。

この3年間は、やはり、攻撃的というよりは整理整頓、調整、準備その為の対応、投資があってしかるべきだったのです。そんな思いで3年間を世界的に観目しても、そのとおりだったなと得心するのです。

3年間で、以上のことを進め成果を確認でき、その中に未来へのいのちを育んでいることが何よりも重要ではないでしょうか。未来へのいのちとは、企業であるならば商品開発そのものでしょう。

未来へ続く商品=Aそのことこそ2003年に重要な意味を持つと断言できるのです。

陽数の2003。そして2005年。3そして5、その先の7、9。0になってまた陽から始まる2010年。そう考察していくと実に面白いものがあります。

松下電器専務の戸田さん、ソニーマーケティング副社長の池戸さん、シャープ専務の濱野さん、パイオニア専務の新島さん。ボーズ社長の佐倉さん、はじめ多くのトップの方が2003年こそ21世紀の始まりであり、2003年に投入する商品群の重要性を強調されていました。確かにパナソニックのボブ・サップを登場させてのDVDレコーダー発表会は度肝を抜かれました。各社とも未来へ強力に連動した提案型商品を発表されることは間違いありません。

それ故に2003年の動向こそ、重要なのです。4月以降の新しい期は2006年3月終了までの中期計画を今まで以上に練り込んだものにしなければならないと思います。まさに攻撃型であるべきでしょう。前向きで積極的で強いものでなければなりません。マイナス要因ばかり抽出して中期計画を立てているのでは話にならないでしょう。プラス要因を何よりも前面に出し構築したものからマイナス要因を摘出し、素早く除去する、そんな中期計画の立案が重要です。その1年目としての2003年なのです。

陽数のはじまり、そのことを改めて噛み締めてみましょう。

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