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SM-17SA

MARANTZ
SM-17SA

¥90,000(税抜)

発売:1999年9月
このモデルは生産を完了しています
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独自の高音質技術を追求した究極のピュア・サラウンド

【SPEC】
●定格出力(20Hz〜20kHz 両Ch 同時駆動):60W×2(8Ω負荷)、80W×2(6Ω負荷)、100W×2(4Ω負荷)、200W×1(8Ω負荷、BTL接続時) ●全高調波歪率(20Hz〜20kHz両ch駆動8Ω負荷):0.01% ●周波数特性(CD、ソースダイレクト):5Hz〜100kHz+0、-1dB ●ダンピングファクター(8Ω負荷、20Hz〜10kHz):100 ●S/N(IHF Aネットワーク、入力ショート):112dB ●外形寸法:458W×110H×407Dmm ●質量:5.5kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

パワーアンプとのユニークな組み合わせが、高品位を生み出す

マランツというと、HDAM(ハイブリッド増幅モジュール)を用いた高級オーディオ機器が有名だが、AVアンプについても目が離せない。そこで開発した高音質技術を投入し、ピュアアンプとして第一級の品位であることはもちろん、サラウンド時にもその高品位思想を徹底させているからだ。これをマランツは「ピュア・サラウンド」と呼んでいる。今回は、AVアンプのPS-17SAとパワーアンプのSM-17SAに注目してその高品位思想を検証してみた。

AVアンプのPS-17SAは、ちょっと変則的な仕様だ。つまり、サラウンドデコーダーは最新の6.1チャンネル対応しているのだが、パワーアンプは2チャンネル分のみである。これは、とりあえず2チャンネルからAVを初めようという提言、あるいは手持ちのパワーアンプを活用できる仕様ということになる。しかし、本機のパワーアンプ部は単品のSM-17SA(こちらはBTL接続可能)と同じ内容の高級仕様であり、それと組み合わせた時に、主要チャンネルをセパレートした最高級の6.1チャンネルが40万円台で実現できることになるのだ。そこで、フロントLCRのパワーアンプをSM-17SA、サラウンドをPS-17SA自身で駆動するというチャンネル配分とした。前面中央に内部温度計を備えた外観の統一感は見事なもの。

2チャンネルの音楽ソースは、その彫りの深い、高密度な描写能力に驚く。電流帰還のパワーアンプは高性能だが正直すぎるという声もあるのだが、これは花も実もある成熟した地だ。特に弦楽器のボーイングやアクセントが克明なのに瑣末な効果に終わらず、その曲全体を見据えたアーティキュレーションの冴えがよく伝わる。余韻の精妙な色模様も高級オーディオならではの水準だ。

最新の映画サウンドも素晴らしい。オールインワンのAVアンプだと、いかにも大仕掛けであっても、これほどの細密感や瞬発力は得られないだろう。瞬発力といっても鋭く輪郭を描くだけではない。最低域から最高域に至るまでゆとりをもって応答し、スピーカーを支配するのであり、その質量感が画面のフォーカスや3次元感覚まで向上させる効果があることに感動する。こうして、一体型にしてそれをしのぐ発展性があり、しかも価格対性能比が高水準という企画の優位性が確認できた。

(text:吉田伊織)