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SX-WD10

VICTOR
SX-WD10

¥88,000(税抜)

発売:2005年5月10日
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ユニットにウッドコーンを採用したスリムなトールボーイスピーカー

価格は1本

【SPEC】
●型式:2ウェイ3スピーカー、バスレフ型防磁形(JEITA) ●ユニット:11cmウッドコーンスピーカー×2、2cmウッドドームスピーカー ●定格入力(JIS):37.5W ●最大入力(JIS):150W ●定格インピーダンス:6Ω ●再生周波数帯域:45Hz〜50kHz ●出力音圧レベル:85.0dB/W・m ●クロスオーバー周波数:3.8kHz ●外形寸法:270W×1101H×320Dmm(フット、台座含む) ●質量:16.0kg(本体のみ)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ウッドコーンスピーカー待望のトールボーイ

ビクターのウッドコーンスピーカーに待望のトールボーイが登場する。仮想同軸タイプのWD8をベースとしつつ、1.1メートルのスマートなコラム型に仕上げたもの。実際には内部を上下に仕切り、2ウエイ3スピーカーのユニットを上半部のキャビティに収納しているのだ。加えて11センチのウーファーは磁気回路を強化し、駆動力をアップ。低域レンジを拡大するとともに、システム全体の能率も0.5dBほど向上させた点が特徴となる。

振動板は無垢のカバ材だ。2センチのウッドドームについてはユニット変更はなく、またクロスオーバーも3.8kHzと同じため、例えばWD8やWD5とマルチチャンネルを組む際にも、音色やつながり感をキープできる。ホームシアターファンにはまさにうってつけだ。なお台座には30ミリ厚のMDF、さらに金属削り出しのフットが採用され、音の土台を固めている。

一聴して自然体。音域にクセやひっかかるところのないスムーズな流れは、まさしくウッドコーンならではのテイストだ。樹脂よりも金属系のマテリアルよりも振動の減衰が素直で、また木目の方向によって音の伝搬速度が違うことも定在波の防止に役立つという。ざっくりいえばWD8の低音をのばしてスケール感を出した、という感触だが、それに留まらず音色それじたいの密度感がたっぷりと濃い。また管弦楽はステレオイメージ的な広がりや空間感についても余裕がある印象で、リッチに悠然と再現する。

女性ボーカルはハリがあって抜け出しがよくチャーミーだ。ジャズ系の「ジェーン・モンハイト」など、よい意味でのクッキリ感を出しつつ独特のツヤっぽさをあわせもつ感じ。弦がまた絶妙のニュアンスで、ざわっとした衣ずれの感触が素晴らしい。ピアノは音色が多彩、かつ絢爛豪華にかきならす雰囲気がライブコンサートのよう。

ハイスピードでキレ味優先のスピーカーばかり聞いていると、ほっと安堵できるサウンドが欲しくなる。そこにピタっとはまるのが本機だ。木の温もりと馨しい響きをぜひ堪能して欲しい。

(text:林 正義)