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DPX-1200

YAMAHA
DPX-1200

\OPEN(予想実売価格110万円前後)

発売:2004年12月下旬
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ビジュアルグランプリ2005SUMMER ≪銀賞≫受賞モデル

【SPEC】●投影方式:DLP(単板DMD)方式 ●投影デバイス:0.8inchDMD「720P DarkChip3」素子×1枚 ●解像度:1280×720ピクセル ●明るさ:800ルーメン ●コントラスト比:5000対1 ●レンズ:1.6倍電動ズームレンズ(F=2.7〜5.0 f=24.3〜38.9mm)、異常分散(AD)ガラス使用 ●騒音レベル:28dB〜30dB ●投影距離:3m〜4.8m @100 16対9スクリーン ●ランプ:270W SHP ●対応映像信号:480i/576i/480p/576p/720p/1035i/1080i/NTSC/PAL/SECAM/NTSC4.43/PAL-M/PAL-N/PAL60 ●入出力端子:RCA(コンポジット)/S端子(Sビデオ)/D4端子(コンポーネント)/BNC端子(コンポーネント、RGB)/MiniD-Sub端子15ピン(コンポーネント、RGB)/HDMI端子(HDCP対応 デジタルコンポーネント、デジタルRGB)/MiniD-Sub端子9ピン(RS-232C)/DCジャック(トリガー出力12V)/ミニジャック(リモートin、out) ●消費電力:375W ●外形寸法:495W×192.6H×465.4Dmm ●質量:13.8kg ●付属品:リモコン、レンズキャップ、電源ケーブル、RCA-BNC変換アダプター

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

DLPプロジェクターの最終形へと近づいた新フラグシップ機

2002年12月に登場した初代のDPX-1000、そして翌年の1100と進化を重ねてきた、ヤマハの主砲がまたもう一歩ブラシュアップされた。

今回のDPX-1200で新たに加えた画質や機能改善のメスとは何か。手元の資料によってポイントを整理してみよう。まず筐体構造、光学設計および回路面はそのまま踏襲しれつつ、心臓部のマイクロミラーデバイスを1100の「HD2+」から「HD2++」に変更。これは720Pダークチップ3(DC3)と呼ばれる新バージョンで、光を制御するミラーのへそ(Via)を僅かに小さくし、ミラー間のギャップを小さくしたという。これによりさらに光の利用率が高まったということだろう。

スペック的にはコントラスト比が4000対1から5000対1に向上。アイリス最小時の実測データである。あれほど輝度、コントラス感がビビッドだった1100から、比率的には1.25倍のアップだが(前回は50%)、このレベルでの25%は相当な効果が得られるはずだ。

案の定、ガンマカーブおよび映像回路の一部定数を見直しているのだ。ヤマハがことさらガンマや黒レベル、さらにR、G、B別のイコライジングにこだわるのは、いかにしてソースに忠実なフィルム映像なりビデオ映像をスクリーン上に投射するかを重視しているかにほかならない。周知のようにヤマハのガンマのデフォルトカーブには、コンテンツに合わせて大文字系のA〜Eと小文字系のa〜eがある。前者がテレビモニター的で、後者はダーク階調重視のシネマ作品向きとされ、まさに画づくりのキモといえる部分だが、それぞれの細部にわたって入念な仕込み、追い込みの作業がいま行われているところだ。

階調をつかさどるガンマともうひとつが色。クロマ信号に対するフィルター特性を改善するとともに、色調整のWRGB/WRGBYCMモードにおける色度の初期設定値を変更したという。

さて、前者はいわゆるクロマサンプリングエラーである。現行のクロマフィルターの設定だとHD信号をインプットした際、黒い背景に赤字があるような図柄や色エッジがシャープな、例えばBSチューナーのOSD表示などのとき、滲んだようにリンギングや二重のボケが生じることがあった。それへの対策のためのパラメーター変更である。

また後者の色軸調整はマニアの腕のふるいどころだが、修正の手間や精度を高めたのが今回だ。これまでイニシャルの設定では、480iのSDも1080iのHDも、すべてHD信号規格である709タイプになっていた。ところがSDは601タイプであり、例えばSDで正しい色度範囲にもっていきたい場合、わざわざデフォルトの709を修正していたわけだ。ムダな手数であろう。それを480i信号の場合、ダイレクトに601に初期設定したもの。

最後は機能で、かねてから要望の多かった色調整の色度データなどをユーザーメモリーできるようにした。

さてうわさの実機をかい間みる機会を得たが、さらに投射映像の鮮度があがり、リアルさのある立体的な描写力が目に染みるよう。色も一段とビビッドでピュア、BSデジタル番組でも一段と品位のよさを感じることができた。

(text:林 正儀)