新しい音の世界を聴かせるケーブルだ

これはSTリンク光ケーブル。試聴するにあたって別室から対応機器を運び込んでの試聴。仕事部屋の常設装置にSTリンクは対応機器がなかったからだ。24時間のエージングの後で試聴を行った。他のSTリンクケーブルやDIG3000とも相互比較を行った。コネクターはぐんと良質。GI型コアの理論的正統性を実践するには、このくらい精度と信頼性の高いコネクターでなくてはならない。

音はキメ細かく流麗。TOSリンク方式が、かなり頑張ってもこれだけのハイクオリティ伝送は不可能に近いのではないか、と思うほどである。同じSTリンクでも他の、つまり何年の前の製品とは音のグレードが違う。どこが違うのか、といえばSN感や分解能。残される問題は機器内部の光→電気変換器の優劣だろう。ケーブルのポテンシャルとしては完璧なまでに昇華していると思う。いずれにせよ、STリンクを実行されている人にとって、この新製品は新しい音の世界を聴かせるだろう。

（text：藤岡誠）