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VSX-D912-N

PIONEER
VSX-D912-N

¥75,000(税抜)

発売:2003年5月上旬
このモデルは生産を完了しています
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AX10iのノウハウを盛り込んだハイCPモデル

音場補正システムを搭載した6.1ch対応のAVアンプ

【SPEC】 ●実用最大出力(JEITA、6Ω、サラウンド時):フロント:100W+100W、センター:100W、サラウンド:100W+100W、サラウンドバック:100W ●定格出力/[20Hz〜20kHz、0.09%、6Ω] 80W+80W ●外形寸法:420W×158H×401Dmm ●質量:10.0kg ●消費電力:280W ●スタンバイ時消費電力:1.0W 

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

澄んだ音調と自然な質感、音が整理された印象ル

普及価格帯の上位モデルとして開発されたハイC/P機である。フラッグシップのVSA-AX10iや中級グレードのVSA-D2110などの設計を継承する本格的な仕様。ことに独自の音場補正システムMCACC SETUPを搭載したのが注目される。上級モデルのMCACCから基本項目を抽出し、付属のマイクロフォンで自動的にスピーカーのセッティングを行うことが可能。オリジナル・テストトーンによる聴感でのマニュアル補正にも対応している。

DSPにはモトローラ製48ビット・タイプを搭載。これを中心として経路を最短化したデジタルコアエンジンを新開発し、再現性の向上を図っている。また内部構成の整理によって信号経路の短縮と干渉の排除を図ったダイレクトコンストラクション構造も採用。出力デバイスは温度補償を内蔵した独自のハイブリッド・パワーモジュールPHAを使用して、100W×6の実用最大出力を得ている。DACは全チャンネル96kHz24ビット。DTS96/24を始め最新のサラウンド・フォーマットにも対応する。

透明感が高く伸びやかな音調だ。高域の分解能に優れ、音楽音が澄んでいる。セリフにはほとんどくせがなく、非常に自然な質感だ。低域の把握は軽めだが自然音の出方には無理がなく、空間的な広がりもある。情報が非常によく整理された印象で、空間中の音が混濁しない。明晰で軽快な出方と言っていい。脂ぎった感触は抑えながら表情は細かく捉えが印象。淡彩的な描き方と言っていい。スピーカーによってはウーファーが緩く感じられるが、ブックシェルフなどで力を発揮するタイプと考えられる。音場の見通しがよく澄み切っているため不満は残らない。

CDは力強いタッチだ。ベースも比較的よく沈んで音色も自然。ピアノも骨格の豊かな芯の詰まった質感だ。伸びがよく低域がやや膨らみ気味なのに対して高域には無理がない。ボーイソプラノも空間が澄んで遠近感に富む。ハーモニーの輪郭が若干強く描かれるが、無理な強調感はなくS/Nがいい。

(text:井上千岳)