パイオニアではウィスキーの熟成用樽材をエンクロージャーに使ったピュアモルトスピーカーをリリースし好評を得ている。そのノウハウを生かし棚板に樽材を100パーセント使用したオーディオラックを開発した。ウィスキー熟成用の樽は樹齢80年〜100年以上のホワイトオーク（楢）。堅く緻密な素材ということもあり西欧では高級建築のドアや家具などに使われてきた。

今回のB-PM1000も落ち着きのある雰囲気と高級感を漂わせる。最上段の棚板の表面にはピュアモルトシリーズであることを物語る焼印が押されている。高さ調整が可能なフット部の接地はスパイクだが床を傷つけたくないようスパイク受けも付属している。4段の総荷重は115kg以下、天板は25kg以下に設定されているが、大型パワーアンプやアナログプレーヤーでなければほとんどのコンポーネントの設置が可能だろう。

試聴にはアキュフェーズDP-78を使用した。コンテンポラリー系ソフトのキックドラムやコントラバスなど低音楽器の音像をタイトに描き出すが、ピアノなどの美しい響きを失うことがなく、それでいて付帯音がつきまとうような事がない。高音質ラックとしては標準的な価格で十分な効果があり、さらに視覚的な美しさもある本機は大きな存在価値を持つといえるだろう。（文/小林貢）