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S-A4SPT-VP

PIONEER
S-A4SPT-VP (ピュアモルトスピーカー)

¥45,714(税抜)

発売:2006年8月上旬
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TAD技術を投入したピュアモルトスピーカー

価格は1本

オーディオ銘機賞2007 ≪小型スピーカーシステム部門≫受賞モデル

【SPEC】●型式:位相反転式、ブックシェルフ型 ●ユニット:10cmコーン型ウーファー、2cmドーム型トゥイーター ●インピーダンス:6Ω ●再生周波数帯域:50Hz〜40kHz ●出力音圧レベル:84dB ●最大入力:100W(JEITA) ●クロスオーバー周波数:4,500Hz ●ユニット極性:低域(+)、高域(+) ●外形寸法:154W×246H×213Dmm ●質量:3.7kg ●付属品:OFCスピーカーケーブル(2.5m)、グリルネット(2枚入り/濃緑・濃赤)、コルク系すべり止め付属

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

最近のパイオニアのスピーカーシステムの活性化は大注目である。センセーショナルなデビューをしたTAD-M1の後継機としてのニューモデルも開発中だし、「EXシリーズ」のS-1EX/S-2EXも大好評。一部で品薄気味だという。

これらよりも早く立ち上がったのが「S-A4シリーズ」である。その源流と系譜を辿るといささか長くなるから、現行製品に限定していえば、母体はS- A4SPTである。これをベースに若干の改良を2個のユニットに加え、同時にキャビネット部材を全面的に変更したのがS-A4STP-PMだ。その部材は樹齢100年超のオーク材。サントリー社がピュアモルトウイスキーの熟成用に50年以上使用した樽材のリサイクルである。素材としての安定度は音響用としても大いなる魅力を持ち、リサイクル云々よりも、むしろ使わない手はない。バスレフのポートもそのブロック材からの削り出しという凝りようだ。

S-A4SPT-VPはキャビネット部材、サイズ、トゥイーターについてはS-A4SPT-PMと共通する。何が違うかといえば外観上では仕上げ色を濃いアンダー気味としたことと濃緑/濃赤、2色のグリルを同梱し落ち着いた雰囲気を演出すると同時にグリル色の違いでインテリア、好みに広く対応させていることである。内部においてはネットワーク部品の高品位化があり、クロスオーバー周波数もわずかに変更、チューニングされている。

一番大きな変更、そして魅力的な変化はウーファーである。思いもよらないだろうがTADの技術が集約されたパルプ振動板である。パルプ素材の持つ剛性と内部損失に注目して、S-A4シリーズに初めて採用されることになった。

音質、音調は革新的に従来からのS-A4シリーズとは異なっている。特にベースとなったS-A4SPT-PMとは基本的にはウーファーだけが違うわけだが、聴こえてくるソノリティは大きく違う。良し悪しではなく雰囲気の違いと理解されたい。直接音の質感が自然だ。間接音の溶け込み、雑味のなさ、音域バランス、そしてステージイメージのリアルさ、といった諸項目で優位性を持つ。(藤岡誠)