製品情報
YAMAHA
DSP-AZ1
¥300,000(税抜)
発売:2002年12月中旬
このモデルは生産を完了しています
最高の仕様を結集したフラグシップモデル
ビジュアルグランプリ2002 ≪銀賞≫受賞モデル
【SPEC】●定格出力(6Ω、20Hz〜20kHz、歪0.015%):メインアンプ130W+130W/センターアンプ130W/リアアンプ130W+130W/リアセンターアンプ130W/フロントエフェクト45W+45W ●実用最大出力(6Ω、EIAJ、1kHz、10%THD):メインアンプ200W+200W/センターアンプ200W/リアアンプ200W+200W/リアセンターアンプ200W/フロントエフェクト65W+65W ●周波数特性:10Hz〜100kHz-3.0dB(CD他) ●全高調波歪率:0.005%(CD他)、0.01%(PHONO MM) ●S/N比(EFFECT OFF):100dB(CD他、250mV)、86dB(5mV、MM) ●A/Dコンバーター:128倍オーバーサンプリング・デジタルシグマ方式、24bit ●D/Aコンバーター:8倍オーバーサンプリング・マルチビット方式、24bit、192kHz対応 ●消費電力:500W ●外形寸法:435W×211H×471Dmm ●質量:28.0kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
細部まで艶やかに磨き上げ、音場は奥行きまで柔軟に広がる
全10チャンネルに196kHz/24ビットのバーブラウン社製D/Aコンバーターを搭載するなど最高の仕様を結集し、さらに幅広いサラウンドフォーマットへの対応を実現した同社AVアンプの最高位モデル。
音声デコーダーについては、自社開発のYSS-938を中核としている。プロロジックIIやマトリックス6.1などを含む音声デコーダー機能に加え、独自のシネマDSP機能をも可能にする32ビット浮動小数点処理の強力なデバイスだ。しかしAACやDTS96/24などのフォーマットに対応するため、ここでは固定小数点処理のDSPも追加している。
パワーアンプは、主要6チャンネルに出力130W(6Ω)のものを使用。ヤマハの一体型AVアンプとしては史上最大の出力である。またフロントエフェクトチャンネルは各45Wだが、全てディスクリート構成である。電源トランスの重量は約9.5kg。回路技術については、伝統となっている「リニアダンピング」方式の回路をフロント3チャンネルに使用。スピーカーの制動力を高めるものだ。
実際の音はどうだろうか。まずは2チャンネルの音楽再生から。細部まで艶やかに磨き上げ、音場は奥行きまで柔軟に広がる。なかなか濃密な音だ。アコースティック楽器の減衰音や和声の出来かたが自然だし、明朗なトーンであり、これはDSP-AX1とも違う成熟した世界と言える。
映画はもっぱら『キャスト・アウェイ』『スター・ウォーズ/エピソードI』でチェックした。音場モードは、やはり「サイファイ」が明快かつスケール感のある効果だ。ほとんどパラメーター調整の必要を感じないが、響きが付きすぎる場合はエフェクトトリムを少し絞り、プレゼンス・イニシャル・ディレイの値を絞るといい。
精密な響きが大空間を創り出し、やがて低域の制動力の不足があまり気にならなくなってきた。4音場処理と言うことで、チャンネルの独立した響きを与えながら、全体的に反射音の減衰特性のパターンが似てくると、全チャンネルの一体感が生じるのだろう。それが直接音の表現力をも向上させ、低域の重さを響きの中で解消することにもなるのだろう。
(text:吉田伊織)
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- 取り扱い:ヤマハ(株)