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TH-AE900

PANASONIC
TH-AE900 (カジュアルシアター)

¥OPEN(予想実売価格240,000円前後)

発売:2005年10月7日
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新「ダイナミックアイリス」を搭載しコントラスト比5500対1を実現。学習機能搭載の「オールinワンリモコン」を付属

ビジュアルグランプリ2006 SUMMER ≪ゴールデンロングラン(GLA)賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2006 ≪銀賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2006 ≪ホームシアター大賞最優秀賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2006 ≪大画面ホームシアター部門≫受賞モデル

【SPEC】
●投写方式:透過型液晶パネル3枚、1レンズ、3原色方式 ●表示デバイス:0.7型液晶パネル(16対9) ●解像度:1280×720×3(約276万画素) ●明るさ:1100ルーメン ●ランプ:130W UHM ●コントラスト:5500対1 ●投写レンズ:マニュアル光学2倍ズームレンズ、フォーカスレンズ ●レンズ:F/1.9〜3.1、f/21.7mm〜43.1mm ●スクリーンサイズ:40型〜200型 ●接続端子:Video×1、S×1、RGB×1、コンポーネント×1、D4×1、HDMI×1、RS232C×1 ●消費電力:180W(リモコンスタンバイ時/ファン停止時→約0.08W) ●電源電圧:AC100V、50/60Hz ●ファン音:25dB(エコノミーモード時) ●外形寸法:335W×95H×270Dmm(突起部除く) ●質量:3.6kg ●付属品:リモコン、単3形乾電池2個(リモコン用)、ACコード(3m)、レンズカバー

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

コントラストの向上を機能性の見直しをテーマに据えた

前作TH-AE700の性能を引き継ぎながら、それを上回る画質と機能を加えたのが本機だ。新パネルD5はライバルと共通ながら、その料理法が独自だ。AE700でやり残したコントラストと機能性の見直しが主なテーマになっている。ダイナミックアイリス機構はライバルから約1年のアドバンテージがあり、より一層シーン連動への対応能力を高め、ハイコントラスト化に結び付けてきた。電動アイリスの可変範囲は2倍になった。それに独自のスムーススクリーン機構も部品から見直して再設計。グリッドを目立たなくする効果はそのままに、映像にシャープさを取り戻した。そして「シネマ1」画質の再設計も特徴のひとつ。「ハリウッド画質」にさらに磨きをかけて、フィルム質感表現力を高めるべく、明るさ、色合い、質感に結び付くガンマカーブなどを見直してきた。絶対的な光の使い方と色合い、黒の再現性を高めてきたのだ。さらに「シネマ3」を再構築。様々なタイプの映画を鑑賞できるように、配慮されたもの。設計者のこだわりが組み入れられた画質である。

視聴は「シネマ1」を中心に行った。ハリウッド画質を主張し続けて約3年になるが、今回の変化としては、まず光が輝くようになった。基本的には明るさが高まったのだが、それを画面全体に波及させていない。これは高度なテクニックだ。またダイナミックアイリスの効果は抜群だ。色合いと色の再現性の改善。艶がよりつやっぽくなった。フィルムのこってりした感じがより表現できている。それは黒の再現性がさらに高まったことに起因しているのかもしれない。映像のベースがしっかりしたことが全体の画作りをスムーズにしたのだろう。そしてスムーススクリーンのよさも特筆したい。わずかに映像にボケの感じられた前作の問題点が解決されて、画に緻密さが出てくるようになった。レンズ性能を犠牲にしない感じで、これでようやく画質と狙いがバランスできたと思う。液晶透過型プロジェクターの弱点が克服できた、といったら大袈裟だろうか。騒音も少なくとても静かだ。

秀作ぞろいの今秋モデルの中で、映画の画質にこだわりたい、質感のよい画が見たい、そんな方にお薦めしたいモデルである。コンパクトさ、静音性、それにリモコンの使い易さなど、利用環境への適応性にも優れるが、画質も最優秀と評価できる力作だ。

(TEXT:村瀬孝矢)