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C-9II Custom

LUXMAN
C-9II Custom

¥900,000(税抜)

発売:2002年4月
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若々しい表現力
鮮度と精密感、瞬発力の訴求が明快

【SPEC】
●全高調波歪率:0.005%以下(定格) ●周波数特性:20Hz〜20kHz(+0、-0.1dB)10Hz〜100kHz(+0、-1.0dB) ●S/N比:120dB以上 ●消費電力:36W(電気用品取締法による規定) ●最大外形寸法:467W×186H×475Dmm ●質量:22.0kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ブランドの伝統を巧みに受け継いだ音楽表現能力

設計思想にしろ仕様にしろほとんどC-10IIカスタムと同様だ。一番大きな相違点はアッテネーターが固定抵抗切り替え式ではなく、抵抗体の連続摺動式の高級品になっていることだ。これは「アルティメイト・ボリューム」と呼ばれている。LRのチャンネル間連動誤差±0.5dB以内(0〜-95dB)。最大減衰量−1120dBという高精度を誇っている。以下、C-10IIカスタムと共通の仕様を紹介しよう。

バランス入力、出力は2系統装備。アンバランス出力についても2系統あり、バイアンプ駆動に便利だ。抵抗については、新開発の超ローノイズ、低歪みのカスタム品を全面的に使用。これでNFBに依存することなく10dBもS/Nを改善したという。ODβ回路、完全バランスCSSC回路、イナーシャ電源なども採用。また出力段にしても、「パワーアンプに匹敵する規模」の強力な構成により、接続するパワーアンプに対するドライバビリティーを訴求している。

ノイズ対策も上位機と同等。5点接地のFRPシャーシベースを採用。これによりメカニカルな不要振動を排除している。また内部はセクションごとにシールドボックスで区分けされている。特に電源部は、独立した高剛性ボックスにて電磁的にも機械的にも遮蔽を徹底している。C-10IIカスタムと比較すると、こちらは若々しく、鮮度と精密感、瞬発力の訴求が明快だ。しかも分析的冷たさにならずに、このブランドの伝統である潤いのある音調、しなやかな描写能力はしっかり保たれている。このクラスになると、どちらが高品位かというより、成熟味のC-10IIか明快なC-9IIかという音質傾向の好みで選択したい。

(text:吉田伊織)