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DV-12S2

MARANTZ
DV-12S2

¥300,000(税抜)

発売:2003年9月下旬
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高級オーディオの思想を随所に継承
マランツの情熱を感じさせる秀作

ビジュアルグランプリ2004 ≪DVDプレーヤー部門≫受賞モデル

オーディオ銘機賞2004 ≪デジタルプレーヤー部門≫受賞モデル

【SPEC】
●再生可能ディスク:スーパーオーディオCD、DVDビデオ、DVDオーディオ、S-VCD、CD、ビデオCD、DVD-R、DVD-RW、MP3ファイル ●映像出力端子:DVI-D×1、RCA色差×1、D2×1、S2×1、ビデオ×1 ●アナログ音声出力端子:フロントLR×2、センター/サラウンドLR/サブウーファー×各1 ●デジタル音声出力端子:光1、同軸1 ●消費電力:26W ●最大外形寸法:458W×110H×393Dmm ●質量:12.1kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

マルチフォーマットに対応したハイエンドプレーヤー

本機は、DV8400とは型番系列が違うのだが顔つきはよく似ている。内容にしてもSACDやDVDオーディオのマルチチャンネル音声にも対応するなど共通部分が多いので、単なるバージョンアップモデルに見えるかも知れない。しかしこれは、段違いの高品位モデルである。

映像系で最も目を引くのは、ビデオDACにアナログデバイセズ社のDV7310を起用したこと。なにしろ12ビット、216MHz仕様という究極のスペックである。音声系についてもDV8400を越える高級仕様になっているが基本的な特徴は継承している。

DV8400と異なる訴求点は3つある。ひとつは、電源回路にショットキーバリアダイオードを使用したこと。これは交流を直流にする整流器であり、その際の電圧のロスやノイズが少ない利点がある。また音声出力端子が真鍮削りだし金メッキの高級品になったことも新しい。リアパネルを見ると、各端子が横一直線に整列していていかにも高級オーディオ風だ。もう一つは、インシュレーターがアルミ無垢仕上げになったことだ。

その画質はすでに3管式プロジェクターでこそじっくり賞味したい高水準に達している。何よりも感動的なのは、輪郭の補正感が全く目立たないことだ。あるとすればそれはディスプレイ装置の方の補正だ。もちろん単に目立たないだけではない。レンズの焦点面が実感できるような精妙な描写能力が備わっていることにも感動する。

音はまずSACDの高密度な表現に感心する。『長岡京室内アンサンブル』は、奥行きのある響きの中に弦の音像がくっきり浮かび上がるが、これは輪郭をなぞるのではなく、微細な音の繊維が織り合わされて造型されている。柔軟にして強靱、高密度な描写性能はまぎれもなく高級オーディオの世界だ。

(text:吉田伊織)