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PDP-504HD

PIONEER
PDP-504HD (PUREVISION)

¥1,100,000(税抜)

発売:2003年9月下旬
このモデルは生産を完了しています
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すべての面で前作を凌駕する出来ばえ

ビジュアルグランプリ2004 ≪金賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2004 ≪プラズマテレビ部門トップ賞≫受賞モデル

映画館で見るフィルム特有の質感が楽しめる「アドバンスド ピュアシネマ」機能や、2画面表示やPinP表示ができる「マルチ画面」機能など、独自の便利機能を搭載

【SPEC】 ●システム消費電力:381W ●年間消費電力量:385KWh/年
<ディスプレイ本体>
●画面サイズ:50V型 ●有効画面サイズ:1,098.2W×620.5Hmm ●アスペクト比:16対9 ●画素数:1,280V×768D ●外形寸法:1,270W×737H×98Dmm ●質量:38.0kg
<メディアレシーバー>
●内蔵チューナー:VHF/UHF、BSデジタル、110度CSデジタル、CATV ●入出力端子:アンテナ入力×2系統、アンテナ出力×1系統、D4映像入力×2、S映像入力×3、コンポジット映像入力×3、アナログ音声入力×4、PC入力(ミニD-sub15)×1、モニター出力(S映像、コンポジット映像、音声)×1系統、ヘッドフォン出力×1、デジタル音声出力(光)×1、ビデオコントロール×1、i.Link×2、電話回線×1、SR+端子(モノラルミニジャック)×2 ●外形寸法:420W×90H×297Dmm ●質量:5.5kg
<スピーカー>
●方式:バスレフ式2ウェイ方式 ●インピーダンス:8Ω ●最大入力:13W ●外形寸法:83W×634H×101Dmm ●質量:1.3kg(1本)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

パイオニア第4世代プラズマテレビの最大の特徴は、P.U.R.E. Driveと名付けられたフルデジタル画像処理回路を搭載したことである。YC分離、クロマデコード、画像処理、リサイズ(スケーリング=画素変換)からパネルの駆動制御までワンチップに収めたこの回路により、初めてプラズマ専用回路が完成したといっていい。

この回路の完成によって、従来ならA/DとD/Aを複数回繰り返さざるを得なかった信号処理が1回で済むようになり、しかもパネルの駆動タイミング制御の最適化も併せて行なうことによって、大幅なS/N改善がなされた。

また、回路内に構成したDNR、MPEG・NR(ディスプレイ搭載は世界初)も効果的に働き、パイオニア独自のスーパーCLEAR駆動法が基本的に持つ「S/Nが悪い」という弱点が克服されつつあるという印象を持った。パイオニアは弱点克服のため、他にも10bitYC分離、10bitデジタルクロマデコーダーなどを総動員している。

加えて、ip変換やリサイズなどによってなまりがちなエッジを引き締めるため、斜めエッジのジャギーやボケを極力少なくするコンバーター回路を開発。シュートの発生しにくいエンハンサー回路、色信号のトランジェント改善などと併せて、鮮鋭度の向上に努めている。

ip変換に関しては、ビデオ素材は従来どおりだが、フィルム素材の処理が新しくなった。映像の2-3プルダウン構造を検出すると、自動的に72Hz(24コマ×3)で表示するのである。そうすることによって表示のだぶりコマが原理的にはなくなり、映画のコマに完全対応することになる。フィルムプロジェクターでは、多くの場合、1コマを2回投写するようなシャッター動作になっているのだが、パイオニアの新しいプラズマは、それを3回投写にするようなものである。この方式はテレビ(ブラウン管からプラズマ、液晶まで)では世界初だが、一足先に液晶プロジェクターでエプソンが採用している。

パネルについては大幅な変更はないが、緑の蛍光体を変更し、前面フィルターの特性を改善して、明所コントラスト向上(約20%・パイオニア発表)を図った。しかし、実際の映像でそれ以上のコントラスト改善が見受けられる理由は、新たに採用した「ダイナミックレンジ・エキスパンダー回路」の働きによる。この回路は映像信号のヒストグラムを見て、使われていない領域があれば、その分だけ信号分布を拡大するというものである。そのため、出力レベルを落とさずに映像の濃度域を拡大できるので、パネルの持つ諧調再現能力を最大限に活用することになり、結果として副作用の少ない自然なコントラスト強調につながっている。

操作面では独自開発の新メニューソフトにより、種々の調整、設定、切り換えなどがわかりやすくなった。それに対応する親子リモコンも工夫がなされ、複雑な操作をしない一般的なユーザーへの配慮が進んでいる。デジカメ画像を表示する機能が加わり、SDカードスロットが装備された。

以上、パイオニア第4世代ピュアビジョンの概要を紹介した。パネル輝度の違いはあるものの、50型と43型の内容に違いはない。筆者は7月中旬に画質を確認したが、その時点ではまだ若干の色かぶり傾向が残っており、発売までには改善するという確約を得た。ただ、新回路によってパイオニアが目論んだS/N改善、鮮鋭度向上、コントラスト拡大の効果は明瞭に出ており、製品としての進歩がはっきり見て取れたことを報告しておく。(松山凌一/ホームシアターファイル19号)