製品情報

製品データベース

TOP > ホームシアターシステム > 完結型システム

LS-35

BOSE
LS-35

¥398,000(税抜)

発売:2003年3月20日
AMAZONで検索

自動音場補正テクノロジー搭載のDVDホームシアターシステム

ビジュアルグランプリ2004 ≪銅賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2004 ≪かんたんホームシアター部門トップ賞≫受賞モデル

【SPEC】
<サテライトスピーカー(防磁型)>
●ユニット構成:6.0cmドライバー×1(1本) ●外形寸法:78W×78H×104Dmm ●質量:0.55kg(1本) <ウェーブガイド・ベースモジュール(非防磁型)> ●ユニット構成:13.0cmウーファー×2 ●外形寸法:205W×410H×633Dmm ●質量:16.0kg <内蔵アンプ部>●フロント定格出力:20W×3 ●サラウンド定格出力:20W×2 ●ベース定格出力:90W ●電源電圧:AC100V(50/60Hz) <メディアセンター> ●外形寸法:400W×95H×290Dmm ●質量:3.7kg ●電源電圧:AC100V(50/60Hz)※ACアダプター使用 <プリアンプ部> ●音声入力:アナログ/デジタル(同軸/光)×4 ●音声出力:アナログ/デジタル(同軸/光)×1 ●映像入力:コンポジット×1、S端子×1 ●映像出力:コンポジット×1、S端子×1(※DVDの出力はコンポーネント出力に変更可) <DVD/CDプレーヤー部>●再生周波数帯域:20Hz〜20kHz(±0.5dB)●対応フォーマット:DVD-VIDEO(NTSC/リージョンコード2)、CD-DA、MP3 <リモコン>●方式:赤外線方式 ●電源:3V(単3電池×2) ●付属品:赤外線リモコン、FMアンテナ、AMアンテナ、コンポーネント出力ケーブル、各システム接続ケーブル、ACアダプター、測定用ヘッドセット型マイクロフォン、セットアップディスク

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ADAPTiQ搭載で短時間で最適な空間に

独自の自動音場補正機能ADAPTiQを積むホームシアターシステムのフラグシップ、LS-35。どんな使用環境であろうと、短時間のうちに設置する部屋の音響特性を完璧に把握して最適な空間にしてしまう。BOSE技術の集大成と呼べるものだ。生活に密着したライフスタイル製品だから、当然ながらオールインワンである。3・2・1とは違い、サテライト5本とベースモジュールによるオーソドックスな5.1chセットだ。しかしこのサテライトスピーカーが恐ろしくミニサイズになっており、またDVDプレーヤーとチューナーを内蔵するメディアセンターはとてもスタイリッシュだ。

本機には、2枚のDVD-ROMが添付される。1枚は通常のセッティングガイドである。本命は≪ディスク2≫の方で、BOSE長年の成果がプログラムされている。あとは測定用のマイクである。ヘッドセットの中に小さなマイクカプセルを装着し、これをかけて部屋の中の聴きたい位置にいればいい。測定ポイントは5箇所。具体的には6本のスピーカーから出る音を5ヵ所で計るから、6×5=30ポイントだ。これに信号が2種類で60パターンとなり、さらにその信号自体が時間とともに変化する非常に細かい情報を含むスイープのため、最終的に数千ポイント相当の精密な測定をしたことになる。ブロック図などは非公開だが、モノラルでもステレオでもあらゆるソースを5.1chで再生するボーズデジタル(BD)がベースとなったのは明らかだ。LS-35ではそのBDのひとつ前に、ADAPTiQを置く。そこで解析した室内音響特性などのデータをつきあわせながら、BD回路で精密にポストプロセッシングするわけだ。これによってベストマッチなリスニング空間を創成する。

また、本システムではドライバーユニットが全面刷新されている。ユニットは5cmで容積は従来のほぼ40%。重さが350gでこれは30%程度。ベースモジュールは13cmのウーファーが2発。アコースティックウェーブガイドの片側が閉塞になっていてポートの途中にもう1本ポートがくるような構成だ。内蔵アンプはウーファー用が120W、および5ch分の20Wアンプを搭載する。

視聴に入ると、これはただものではないサウンドとすぐに感じた。小さいなりによい、のではなく、そのサイズさえかき消すほどのインパクトと言おう。ミニだが素晴らしい反応。音色はクリアにして小気味よいほどパワフルなのだ。どの音量レンジや音の高低でもクセがなく、ユニットの優秀さを物語る。点音源のよさはボーカルやギターソロの繊細な表現やピントのあった音像感にも現れているが、これが実に生々しい。ベースモジュールとのつながりも絶妙だ。シネマサラウンドではさらに興奮がエスカレートする。DTSの『U-571』がいい。注目はセリフと爆雷の効果音だ。S/Nがばっちりと確保され、艦がきしむ音や会話が浮き上がるよう。密閉された艦内の緊張感がヒシヒシと伝わる。映像出力がプログレッシブでないのが惜しまれるが、プレーヤー部の画質はニュートラルな高水準をキープ。しかも本機では、付属のアダプター経由で色差コンポーネントにも対応するのは嬉しい配慮だ。スピーカーを隠した状態からでもインストールができる本システムは「狭い、置けない」といった部屋の制約を解決させ、ホームシアター環境が様変わりしそうである。

(text:林 正儀)